番外編 カナダから学ぶ日本

カナダ - 150年 街道をゆく

お気に入りに追加

番外編 カナダから学ぶ日本

ぼくがカナダにいる間に、日本では安保法案が衆院を通過して大騒ぎになり、直後に新国立競技場が一転計画見直しになったりと、結構、国家レベルの大きなニュースが続いています。

そんな中、カナダを旅していると、日本の違う面が見えてくることがあります。

多くの日本人にとって、カナダは「アメリカの一部」にしか見えていないのではないでしょうか(少なくともぼくはそうでした)。しかし、そんなカナダですら、2003年のイラク戦争のとき、派兵していない事実は意外と知られていません。

まず第二次大戦は連合国として1939年に参加、人口当たりではアメリカ合衆国以上の戦死者を出しました。それから1950年に勃発した朝鮮戦争にも参加しましたが、これはあくまで「北朝鮮の侵攻を阻止するため」という大義があったためで、どちらかというとアメリカと朝鮮側との仲介役をかって出ましたが、結果的には失敗してしまいます。これは現在、朝鮮半島が二つに分かれていることでもわかると思います。ここまでは確かにアメリカと行動を共にしています。

しかし、ここからがカナダのユニークなところです。

まず1960年頃から始まったベトナム戦争のときには、派兵しませんでした。当時のピアソン首相が、アメリカ国内で「反ベトナム戦争演説」を行ったほどです。のみならず戦争終結後には、多くのベトナム難民を受け入れました。

また1991年の湾岸戦争には参加。2001年に起こった「9.11」後にアフガンに派兵するのですが、2003年のイラク戦争でアメリカの要請に応えず、大義がないとして参戦しませんでした。

この辺りの政策は、ただの〝対米追従〟ではない、「大人の国・カナダ」が見えてきます。 

それで次は、オリンピックと国立競技場の話です。

日本では新国立競技場の建設について、見直しが決められたことがニュースになっていましたが、カナダもかつては、同じような事情を抱えていたことがあります。 

1976年開催のモントリオール五輪の競技場が100%完成したのは、何とオリンピックから12年後。まず「竣工したのが開催日」だったようなので、この時点で不可能だったわけですね。

Le_Stade_Olympique_3

↑今もモントリオールの象徴となっているオリンピック・スタジアム(ウィキペディアより)

何とか完成させましたが、その時点ですでに老朽化していた、という笑えない話まで残っています。総額1477億円返却のため、開催州であったケベック州では、タバコ増税8%が2006年まで、30年間もつづけられました。カナダの場合は、ストライキなどがあったために遅れてしまったのですが、負債を「タバコ増税」でまかなう、というのも当時としてはユニークだと思います。

何が言いたいのかというと、現実にぼくも含めた大人はよく間違いをおかしますが、「大人の国・カナダ」も、決して間違いをおかさないわけではないということです。

カナダを含め、海外と日本を安易に比較するのはあまり意味がありませんが(国の成り立ちや地理条件など、複雑な要素が多いため)、少なくとも、ぼくは日本も「大人の国」と呼ばれる側面をもってほしいと願っています。日本も大国アメリカとの関係が深い国の一つですから、そうした意味でも、絶妙な対米政策を展開するカナダから学ぶことはとても多いと思います。

 

コメント

  • 長澤法隆

    日本はかなり暑い日が続きました。台風も来ました。天候にも気をつけて旅を続けてください。

    • 上原善広

      ありがとうございます。こちらもようやく暑くなってきて、夕立が降るようになりました。でも北海道みたいなものなので、日本よりは過ごしやすいと思います。

コメントを残す