カナダ - 150年 街道をゆく

カナダ - 150年 街道をゆく

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はじめに

カナダを知るには、まずどうしたらいいのか。日本人にとって、いや全ての外国人にとってこれはかなり難問です。
例えばどこかの町、出来事や事件、観光地に絞って詳しくレポートしたとしても、それでカナダを知った、とは言えないと思います。もちろん、カナダ全土を回ったからと言って、それでカナダの魅力を全て紹介できるわけでもありません。広大な面積をもち、先住民だけでなく移民も多い多民族国家カナダなら、それも当然のことです。

そこでもう、考えていても仕方がないから、思い切って単純に「自転車でカナダ全土を旅しよう」と思いました。

しかし、ただ自転車で旅するだけでは面白くない。そのためトランス・カナダ・トレイル(TCT)という〝歴史街道〟を辿ることにしたのです。
TCTとは、廃線跡などを徒歩や自転車などで旅できるように整備したルートのことです。車などの乗り入れは禁止されているため、観光で訪れたら一度は散歩したい魅力的なハイキング・コースでもあります。このTCTを辿って、カナダを横断、そして縦断することにしたのです。

カナダの魅力

カナダの魅力を大きく分けると、二つあります。
それは広大な土地、多様な文化です。

広大な土地については、ロシアに次いで世界2位の国土面積を誇ります。また文化的には英語圏、フランス語圏、先住民(ネイティブ・カナディアン、イヌイット)などがあります。
まずカナダの広大な面積を体感するには、自転車での旅ほど、適した方法はありません(もちろん昔のように歩いたり馬車で旅するのが最も良いのですが、あまり現実的ではありません)。また自転車での旅は同時に、カナダの人々との交流にもつながります。この方法で旅することが、カナダを知ることのきっかけにはなると思います。
さいわい私は23歳のときにアラスカ~メキシコまで、徒歩で1年かけて北米を旅した経験があります。この旅では、様々な人たちとの出会いがありました。その経験を活かして、自転車でカナダを広く旅することで、その魅力をレポートしようと考えたのです。

旅を始めるにあたって

とはいえ、この旅をスタートするには様々な困難があります。

まず世界第2位の国土面積を誇る広大なカナダですから、自転車での旅は装備の用意だけでも大変です。自転車に積み込む最低限の装備はもちろん、長い旅ですから自転車や体の故障などのトラブルに、日々、悩まされることでしょう。また、あまりにも広大なため、毎日ホテルやモーテルに泊れるわけではありませんから、キャンプ道具も必要になります。しかし幸いにも、カナダはキャンプ王国ですから、その苦労もまた楽しみにできる数少ない国でもあります。

自転車で旅するにあたって最も工夫し、考えたのはルートの検討です。
地図を見れば見るほど、観光局で話を聞けば聞くほど、あちらに行きたい、こっちにも行きたいと、どんどん構想が膨らんでしまいます。当初の計画は8000キロでしたが、ついに最終段階では倍近い1万5000キロにまで膨らんでしまいました。最終的には北極圏の厳冬期にアイスロード約160キロを走行する予定も立てました。
しかし、さすがにここまで計画が大きくなってしまうと、3年越しでも旅の終着が見えない事態に陥ってしまいます。
何とかそこから削り、トランス・カナダ・トレイルをつないで、約1万キロという距離に落ち着きました(大体4万キロで世界一周と認められるので、その4分の1の距離になります)。それでも相当な距離になってしまいましたが、それくらいカナダは広大であり、また魅力ある国でもあるということです。
もちろん計画通りにいかないこともあるかもしれませんが、どちらにしても1万キロを超える壮大な旅になることは間違いありません。

<旅のルート>

ここからは、なぜそのルートを選んだのか、その説明をざっとしたいと思います。

第Ⅰ期(2015年5月25日~8月20日)

・プリンス・エドワード・アイランド

まずスタート地点は「赤毛のアン」の舞台となったことで日本人にも馴染み深い、プリンスエドワード島(PEI)シャーロットタウン。ここはカナダ建国の地であり、またカナダで最も小さな州でもあります(プリンスエドワードアイランド州)。カナダ建国の地は、スタート地点としては最適な地です。
このPEIは、最初にトランス・カナダ・トレイル(TCT)が完成した州としても知られています。ここでは島を縦断しているトレイルを走ります。

・ノバ・スコシア州のライトハウスルート

あまり日本人には知られていませんが、プリンスエドワード島の周辺にも、カナダを象徴とする素晴らしい場所がいくつもあります。例えばその一つが、ノバスコシア州です。ここにはライトハウス・ルート(ロード)と呼ばれる有名なドライブ道があります。今回は、TCTとライトハウス・ルートを旅した後、ケベックシティを目指します。

・フランス文化圏

ケベックシティの周辺は、フランス語文化圏としてもよく知られています。
カナダへの移民、入植、開拓の始まりは、ここケベックのセントローレンス川沿いに始まりました。カナダ建国の地はPEIなのですが、カナダ入植の歴史は、このケベックから始まったのです。
ここからはオンタリオまでは、TCTと共にメープル街道も辿ります。メープル街道とは、開拓時代に英仏が覇権を競い合った土地で歴史街道で、アメリカからの独立戦争でも大きな役割を果たした道でもあります。
そんな歴史街道を走りながら、モントリオール、オタワ、トロントへと向かいます。7月1日は「カナダ建国の日」にあたりますから、できればそれまでに首都オタワに到着することを目標にしたいと思います。

・マニトバ州ウィニペグ

ここには広大な平地が広がっています。ウィニペグ周辺には先住民が多く住んでいるため、ネイティブ・カナディアンの文化に触れることになるでしょう。州都ウィニペグは、日本ではほとんど知られていませんが、2014年には「人権博物館」が設立され、カナダの中でも個性的な都市の一つです。またウィニペグ周辺は、8月上旬になると一面がお花畑のようになるというので、その時期までには到着したいと思っています。さらに進むとカナダ西部に入り、カナダ開拓団が歩いたルートを辿ることになります。

このウィニペグまでが、旅の第Ⅰ期(2015年5月~8月)になります。もちろん予定通りいかないこともあるかもしれませんが、まずはウィニペグを目指して旅をしたいと思っています。

第Ⅱ期(2016年5月~10月)

・アルバータ州

世界有数の恐竜発掘地帯で知られています。恐竜のことを調べようと思ったら、必ずアルバータという地名が出てくるほどです。ここでは恐竜から人類の北米到達(先住民は2万年前にはすでに到達していたといわれている)という、カナダの考古学的な魅力を体験できます。

・ロッキー山脈

エドモントン、カルガリーと大都市をへて、ロッキー山脈に入ります。日本でもよく知られているバンフ、ジャスパーなどのリゾート地もあります。自転車の旅では、ロッキー山脈の絶景の中を旅することになるでしょう。かなり起伏のあるコースになると思いますので、できるだけゆっくり旅したいと思います。

・バンクーバー

日本人が初めてカナダを訪れたのが、このバンクーバーです。日本で2014年に公開された映画『バンクーバーの朝日』の舞台になったことでも知られるように、日系人がもっとも多く住む、日本とも関係の深い都市です。ここではカナダと日本人の歴史について考える旅となるでしょう。

・アラスカハイウェイ

アラスカハイウェイとは、バンクーバーのあるブリティッシュコロンビア州から、ユーコン準州を横切り、最北アラスカへ抜けるルートのことです。
アラスカ・ハイウェイとは、第二次世界大戦中、アメリカにとって対日戦略拠点として重要だったアラスカへの軍事道路として建設されました。多数の犠牲者を出す難工事で、4カ月あまりの突貫工事で完成させたルートです。ここでは戦後70年以上という過去と現在、未来について思いを馳せながらの旅になります。また約100年前の「ゴールドラッシュ」のときは、一獲千金を狙った荒くれ者たちが行き交った街道でもあり、あちこちにある小さな町では、それにちなんだお祭りが開かれています。

・北極海へ

イヌヴィックは北極圏にある村で、先住民であるイヌイットたちが住んでいます。この地域では同じ先住民といっても、さまざまな民族がそれぞれ固有の文化を守って生活しています。またクマやムース(ヘラジカ)など、野生動物も多く見ることができます。
このイヌイットの村イヌビックが、第Ⅱ期の旅のゴールとなります。

第Ⅲ期(2017年2月)

・アイスロード

ここからは冬期のアイスロード(マッケンジー川が凍りついた天然のハイウェイ)を走行し、北極海をのぞむタクトヤクタックを目指します。オーロラと犬ぞりが盛んになる季節でもあります。自転車での走行はかなりの困難と過酷さが予想されるため、ここからは現地でしっかりと情報収集と準備をして挑みたいと思っています。

それでは、ここからは「カナダ―150年 街道をゆく」をご覧になっている皆さんと共に楽しみたいと思います。このブログは随時、更新していきますので、どうかご期待ください。

コメント

  • おやけ ようこ

    自転車で旅をするなんて凄い事。なんて素晴らしい事でしょう。なにも出来ませんが応援しています。
    6月ナイアガラに行きます。10日ごろPEIにいきます。会えたら嬉しいですね。楽しみが一つ増えました。頑張ってください。

  • マッキー

    大変興味深いルートですね。24年、少しだけ自転車旅行しました。これから始まる旅を懐かしく拝見したいと思います。
    気をつけて走って下さい。応援しています。

  • みどくに婆

    ステキなカナダをより一層教えていただけそうでおはなしを楽しみにします。
    今の時代の方々はいいですねー!身体に十分気をつけていい出会いをなさってください。ご無事とご幸運をお祈りしています。

  • よし

    良いですね!自転車・アクロス・カナダ♪♪僕も約17年前にバンクーバーからハリファックスまで
    2ヶ月ほどかけて自転車で横断しました(^^)まだまだ、やり残したことが一杯あるので、もう一度
    行きたい気持ちです!
    東側は、路肩が狭いので気を付けて走ってくださいね!

  • 増村祥子

    カナダの自転車での旅、素敵ですね~

  • 姉ちゃん

    熊にわ気つけて。笑

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