ロッキー キャンモアの由来

カナダ - 150年 街道をゆく

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ロッキー キャンモアの由来

長くプレーリー地帯の風景に慣れてきたせいか、ロッキーの山並みが見えてくるにしたがって、異様な感じに襲われた。

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↑プレーリーからのぞむロッキー山脈。プレーリー地帯から見ると、巨大な恐竜の背びれに見える。

荒々しい岩山の絶壁は、来る者を拒むかのようだし、上り下りの多いうねった道も、行く者を困惑させる。

やがて完全にロッキーの中に入ると、どこを見ても3000m級の岩山ばかり。森林限界を超えているので、どの山もたいてい頂上はガレ場になっている。

どこまでも平坦だったプレーリー地帯とは、何もかもが違う。この両極端なダイナミズムこそ、カナダの魅力である。

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気温も両極端だ。朝晩は夏場でも10℃くらいに下がることもあるし、日中は照っているところで30℃ちかくまで上がる。私が滞在中のときでいえば最低は6℃(日中)、最高は28℃だった。この寒暖の差で体調を崩しやすいが、カナダの気候は基本的に湿度が少ないので、思うよりは過ごしやすい。

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↑ロッキーに差し掛かると、さっそくマウンテン・シープの群れと出会う。

初日はカナナスキスのデルタホテルに入った。昔、各国首脳会議が行われたところということで、高級ホテルの範囲に入ると思うのだが、いかんせん施設が古い。しかし、私はこうした古いクラシック調のホテルが好きなので、すぐに気に入ってしまった。

カナナスキスは一応「ビレッジ(村)」と付いているのだが、周囲にはゴルフ場やスキー場があるだけで、べつに集落があるわけではない。デルタという名のホテルの中に店がいくつか入っていて、それがビレッジの中心になる。レストランで食べようと思えば、近くにあるキャンモアという町まで出かけなければならない。車で片道40分ほどだ。

キャンモアは、バンフのベッドタウンになっている。バンフは国立公園にあるので、人々の移住などが制限されているのだが、キャンモアは指定されていないので、新しく移住してきやすい。そのためキャンモアに住んで、そこからバンフに仕事で通うという人が多い。キャンモアからバンフは車で40分ほど。カナナスキスからキャンモアも同じくらいだ。カルガリーからも近いので、別荘も多い。バンフやレイク・ルイーズの宿泊が高騰しているので、この生活のしやすいキャンモアで滞在する人も多い。

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↑VIA鉄道と同じ線路をゆく貨物列車。カナダは貨物も二段重ね。よく倒れないものだ。

キャンモアというのはしかし、変わった名の町だなと思っていた。カナナスキスも変わってはいるが、だいたい先住民の名前だろうと最初から思っていた(事実、この辺りの先住民のリーダーだった人の名からきている)。

しかしキャンモアというのは英語のようでもある。そこで地元観光局に寄った際にスタッフに訊いてみたら、スコットランドのゲール語で「頭の大きい人」という意味だという。

もともとは炭鉱の町として開発されたこともあり、住民にはスコットランド系が多かったそうで、町の名を決めるときに、昔(西暦1000年頃)スコットランドにいた王、マルコム三世の名をとることになったそうだ。

このマルコム三世は別名を「マルカム・カンモ―(Molcolm Canmore)」と呼ばれていたそうで、この「カンモ―」が「頭の大きな」という意味だという。

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↑同じくスキンヘッドのお父さんを激写する母と娘。

しかし、マルコム三世の頭が実際に大きかったのか、それとも態度が大きかったからそう言われるようになったのかは、わからないということだった。このCanmoreを英語読みにしたら「キャンモア」になるので、その名が付いたということである。

だからキャンモアの町の端には、巨大な顔が半分だけ地上に出ているという、不気味なモニュメントがあるのだが、それはこの町の名からきているのだという。子供たちがよじ登って遊んでいたが、夜に通りがかるとちょっと不気味に思うかもしれない。

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↑ほとんどの人はこのモニュメントの意味を知らないのだが、まあ、知らない方が不思議な感じでいいかも。

つづく

コメント

  • 中田治久

    こんにちは。ロッキーの雄大な景色と、街角の不思議なモニュメント。おおらかでいいですね。他人との距離を取ることに汲々としている日本と比べると、うらやましく思います。気温差が大きいとのこと、体調に十分お気をつけください。

    • 上原善広

      ありがとうございます。カナダは良い意味で極端な国で、気温もその一つですね。移動と取材が多くて更新がちょっと遅れがちですが、また時々のぞいてみてくださいね。

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