ケベックと
フランス

モントリオールにケベックシティ
どうしてケベック州はフランス文化に彩られているのかその理由を少しだけ知っておいてほしい。
きっと、ケベックがもっと身近に感じられるから。

“フランス文化の香り漂う”というのが、ケベックを表す常套句かもしれない。ケベックにはフランス風の石造りの建築物がたくさんあり、街にはフランス語があふれている。住民はフランス語と英語の両方を話し、モントリオールは「北米のパリ」とも呼ばれている。では、なぜケベックにはフランス文化の香りが漂っているのだろうか。
謎を解くカギの1つが、ケベックシティの郊外にある「モンモランシーの滝」だ。滝の落差は、あのナイアガラの滝よりも約30メートルも高く、84メートルほど。滝に渡された橋から真下を見おろすと、ものすごい音を立てながら大量の水が滝つぼへと流れ落ち続けている。
滝にはワイヤーロープがはられていて、夏には滝の流れを真横に見ながら空中を散歩する大迫力のジップラインが楽しめる。一方、滝の一部が凍り付く冬のアクティビティならアイス・クライミング。手には氷の壁に打ち付けて引っ掛けるアイス・アックス、靴にはとがった爪のついたアイゼンを装着し、凍った滝を登るのだ。
この滝の付近では18世紀なかばにフランスとイギリスによる戦闘が行われている。のちにカナダとなる地に進出し、今のケベックシティを拠点に植民地「ヌーベル・フランス」を建設したのがフランスだった。そこに攻め込んだイギリス軍がフランス軍に撃退され、一度は大敗を喫したのがモンモランシーの滝あたりでの戦い。しかしその2カ月ほど後、奇襲に成功したイギリスによってケベックは陥落し、フランスの支配は終焉を迎える。
それゆえ、かつて「ヌーベル・フランス」だったケベックには今も、フランス文化の香りが漂う。走る車のナンバープレートには、「私は忘れない」というフランス語、「Je me souviens(ジュ・ム・スビアン)」の文字も刻まれている。ケベックの人たちは、先祖がフランス人であることを忘れず、誇りに感じながら暮らしている。

  • 石造りの建物を見ていると、まるでフランスにいるかのような錯覚をしてしまう。

  • 街中を走る車のナンバー下に「Je me souviens」と刻まれている。ご当地ナンバー探しも旅の醍醐味。

  • 高い地点から勢い良く流れ落ちる水量と轟音は、フランス軍とイギリス軍がしのぎを削った当時の激しさを物語っているかのようだ。

  • 冬になると、勢いよく流れていた滝は、一転して氷の壁に。専門用具を使えば登れるが、安全対策はしっかりと。

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