01. 山で生きる覚悟を決める

カナディアンロッキーでハイキングガイドとして生きる01. 山で生きる覚悟を決める

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カナディアンロッキーを舞台に山のガイドとして生活することは、私のようにアウトドアライフを好む人間にとって本当に幸せなことです。

ロッキーを訪れる方々と共にハイキングやバックパッキング、そしてキャンピングなどを通して大自然の中を歩く喜びを共有する時間は、何事にも代えがたいとても特別なものだと感じます。

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「カナダで山のガイドという仕事に就く前は、何をしていたのですか?」このように聞かれることがたまにありますが、私が過去に東京でテレビゲームソフトの開発の仕事をしていたとお話しをすると、少なからず驚かれることがあります。しかし、私のゲーム業界時代を知る人にとっては、それほど意外なことではないのかも知れません。私自身、今現在カナダで自然と共に生きる生活を送っていることを考える時、人生とは分からないものだなと思う反面、まるでこうなることは必然であり、私が初めてカナダを訪れた22歳の時に決まっていたように思うこともあります。

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ゲーム業界時代

私は千葉県の最東端にある銚子市という海の町で生まれ、全くと言って良いほど山というものに触れ合うこともなく育ちました。高校卒業後すぐに上京した時は、ゲームプランナーとして成功することを夢見ながら大都会での刺激的な生活を送る、いわゆる若者らしい青春時代を過ごしました。

そんな東京での生活の中、専門学生時代に私の作ったオリジナルのゲーム企画が認められ、商品化されたことで私の人生は大きく動き出しました。

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若かりし日の旅

これにより若くして少しまとまったお金を手にすることができたこともあり、高校生時代からの憧れであった北米大陸横断の一人旅を行うことができたのです。

そして、この旅でカナダのバンフ国立公園やアメリカのヨセミテ国立公園、ザイオンなどグランドサークルにある自然公園群を訪れたことが、その後の私の人生を大きく変えることになります。英語でWilderness(ウィルダネス)と呼ばれる手つかずの大自然に触れたのは初めての経験でした。

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カナダの原生林

今でも初めてカナディアンロッキーの壮大な風景を見た時の衝撃は忘れられません。氷河を抱いた山々、見たこともないような色彩の湖、野生動物の息吹を感じる深い森。

目の前に広がる大自然はとにかく大きく、そして純粋であり、この世界をもっと知りたい、もっと山深いところまで足を伸ばしてみたいという衝動に駆られたことは忘れられません。

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神々しいロッキーの山々

ほんの散策程度でしたが、カナダの大自然の中を歩いた時に肌で感じた空気感、そこに漂う神々しいほどの精神性は、それまでの自分の価値観を根底から変えるほどの大きな出来事であり、これらの体験を可能にしてくれた国立公園というシステムの素晴らしさを知ったのも、この時が初めての事でした。そして、これらの経験から山に魅せられ、本格的に山歩きを始めることになりました。

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ジョンミューアトレイル挑戦時

その後、20代はゲームプランナー、ディレクター、シナリオライターとして情熱的に仕事をこなし、まとまった休みが取れれば山に行くという生活を送っていましたが、20代半ばを過ぎ、ゲーム開発者としての自分の将来について悩んでいた時期に、作家でアウトドアライターの加藤則芳さんと出会いました。

加藤さんは日本に北米のバックパッキング、ロングトレイル文化を伝えた第一人者であり、生涯をかけて人と自然はどのように関わっていくべきかを訴え続けた方でした。加藤さんと一緒に山野を歩き、また、彼の著書を読むたびに彼の生き方から強い影響を受けた私は、自分の人生のあり方についても大きく見つめ直すことになり、そして、アメリカを代表するロングトレイルである全長340kmあるジョンミューアー・トレイルを完歩したことで、私のその後の目標は明確になりました。

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加藤則芳さんとの山行

自然と共に生き、その素晴らしさを人に伝えることを生涯の仕事とする覚悟を決めたのです。そして、8年以上も身をおいたゲーム業界を離れ、31歳の時にカナダに渡りました。もちろん目指した先は、その昔に多大な衝撃を受けたカナディアンロッキーです。

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