カナダの大自然で心と身体をほぐす あなたはカヌー派、それとも乗馬派

カナダの大自然で心と身体をほぐす あなたはカヌー派、それとも乗馬派

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自然派の達人が教えるカナダの本当の楽しみ方

左:カヌー愛好家が憧れるユーコン川沿いには、アウトドア初心者に心強い親日派のカヌー店も。
右:プリンス・エドワード島の「ジ・イン・アット・ベイフォーチュン」では前菜の時間に達人がカキを次々とむいてくれる。

ユーコンの大自然に包まれると、凝り固まった心と身体がほぐされていく。プリンス・エドワード島の美食に触れれば、誰もが自然と笑顔になる。難しいことは一切なし。身体と舌で、ダイレクトにカナダを味わってみよう。

YUKON (ユーコン準州)/PRINCE EDWARD ISLAND(プリンス・エドワード島州)

アクセス 成田または羽田空港からバンクーバー国際空港まで約9時間。ユーコン準州へは飛行機でさらに約2時間30分。プリンス・エドワード島へはバンクーバー経由のほか、カルガリーやトロント経由で行くのが一般的
時差 ユーコン準州 −17時間(サマータイム期間は−16時間)/プリンス・エドワード島 −13時間(サマータイム期間は−12時間)
電話(国番号) +1
通貨 カナダドル(1カナダドル=約82円 ※2017年5月現在)

【ユーコン準州】

ユーコンとは、先住民族の言葉で「大河」の意味。州都ホワイトホースを拠点に旅を始めよう。

カヌーイストの憧れの川は初心者も温かく受け入れる

ゆったりとした流れに任せてカヌーで川を下っていると、大きな魚が水底の岩陰に身を潜めた。川沿いの樹木の枝には白頭ワシが留まり、虎視眈々と獲物を狙う。悠久の流れとは、まさにこんな場面を表現する言葉だろう。でっかい空の下、心が大きく伸びをした。

全長3185キロ、北米第5位の大河ユーコンは、世界中のカヌーイストの憧れの川だ。こう書くと、ここでカヌーを漕ぐことが大冒険だと思われるかもしれない。けれどもカヌーイストの野田知佑は、著書『ユーコン漂流』に「ユーコン川下りなどは初心者や幼児にでもできる。(中略)カヌーは初めてという人も多い」と記している。

流れの緩やかな場所で10分ほど練習をした後でスタート。確かにそれほど難しくはない。ビーバーの住処を訪ねながら(残念ながら不在だった)、約24キロの流程を3時間かけてのんびり下る。いつしか川を下っているという意識はなくなり、自分が川の流れの一部になったかのように感じていた。

川下りに限らず、ユーコンでは時計の針がゆっくりと進んでいるように思える。人生2度目の乗馬なのにすぐトレイル(山道)へと入って慌てたけれど、林を抜けるぽっくりぽっくりというリズムは心地よい。湖に面したロッジの夜は静寂に包まれ、本を読んだり読まなかったり。なぜ、これほど時間の進み方がゆっくりだと感じるのか。

ユーコンを訪ねる観光客はヨーロッパから、なかでもドイツ人が多く、その理由はアルプスと違って手つかずの自然が残っているからだという。あるいはユーコンの時間の流れ方こそが、人間本来のリズムなのかもしれない。

川下りは親日派のレンタカヌー店で

◆ Kanoe People
(カヌー・ピープル)

カヌー乗り場はホワイトホースの中心地から車で約15分。

ユーコン川には、カヌーをレンタルしたり、川下りのガイドをする会社がいくつかある。なかでもここのオーナー、スコット・マクドゥガルは野田知佑と親交があり、かつては日本人スタッフも雇っていたという親日派。釣りと川下り、キャンプを組み合わせた、10日以上のツアーも企画する。ウェブから日本語での問い合わせも可能。

Kanoe People(カヌー・ピープル)

所在地 1147 Front Street, Whitehorse, Yukon
電話番号 867-668-4899
料金 150カナダドル(約24㎞の川下り3~4時間、ガイド付き)

URL http://www.kanoepeople.com/

馬や犬とともに、大自然の懐へ!

◆ Sky High Wilderness Ranch
(スカイ・ハイ・ウィルダネス・ランチ)

愛情を注がれているためか、どの馬も従順。

ホワイトホースから車で約30分。市街地を取り囲む丘を登りきると周囲の景色は山深くなり、犬の吠える声が次第に大きくなってくる。ここでは、夏なら乗馬やハイキング、冬なら犬ぞりやスノーモービルといったアクティビティを楽しむことができる。今回は乗馬を体験。レッスンを受ければ、初心者も眺めのいい山中で人馬一体を味わうことができる。

Sky High Wilderness Ranch(スカイ・ハイ・ウィルダネス・ランチ)

所在地 Km 16 Fish Lake Road, Whitehorse, Yukon
電話番号 867-667-4321
営業時間 7:00~23:00
料金 66.50カナダドル(2時間)
定休日 無休

URL http://www.skyhighwilderness.com/

予約が取れるうちにぜひ!

◆ Southern Lakes Resort
(サザン・レイクス・リゾート)

青い湖を眺めながらの食事は至福のひととき。

ホワイトホースから車で約1時間30分、タギッシュ湖の静かな畔に2016年に新装オープンしたロッジ。どの部屋も手入れが行き届いており、シャワーも完備。快適に過ごせる。スイス人シェフ、ブルーノの料理は絶品で、水上飛行機で訪れる人もいるほど。

Southern Lakes Resort(サザン・レイクス・リゾート)

所在地 1005 Ten Mile Road, Tagish, Yukon
電話番号 867-332-0414
客室数 スタンダード5室、ファミリー1室
料金 スタンダード 夏季(5月13日~9月30日) 220カナダドル~、冬季(11月中旬~4月上旬) 230カナダドル~

URL http://www.southernlakesresort.com/

部屋で快適にオーロラを待つ

◆ Inn On The Lake
(イン・オン・ザ・レイク)

オーナーの趣味のよさが光るエントランス。

隣席の客との会話が弾むダイニング。

こちらは1997年にオープンしたマーシュ湖の畔に佇むロッジ。大人の隠れ家として人気だ。夏は避暑や釣り、ハイキング、秋冬はオーロラ見物を目的とした人が集まる。夜になると湖畔は真っ暗なので、オーロラ観賞にはぴったり。

Inn On The Lake(イン・オン・ザ・レイク)

所在地 Lot 76 McClintock Place, Whitehorse, Yukon
電話番号 867-660-5253
客室数 10室
料金 189カナダドル~

URL http://www.innonthelake.ca/

ホワイトホースの人気スポット

◆ The Wheelhouse
(ザ・ホイールハウス)

ホワイトホースのダウンタウンから車で約5分、ユーコン川沿いの人気レストラン。ユーコンならではのアークティック・チャー(北極イワナ)のグリルは肉厚でジューシー。34カナダドル。

The Wheelhouse(ザ・ホイールハウス)

所在地 Km 16 Fish Lake Road, Whitehorse, Yukon
電話番号 867-456-2982
営業時間 17:00~21:00
定休日 月曜、祝日

URL http://wheelhouserestaurant.ca/

◆ Aroma Borealis
(アロマ・ボレアリス)

乾燥した北風が吹き付けるホワイトホースで生まれたハーブショップ。オリジナルのフェイスクリーム(32.95カナダドル)やソープ(21.95カナダドル)などが人気。

Aroma Borealis(アロマ・ボレアリス)

電話番号 867-667-4372
営業時間 10:00~18:00(土曜 ~17:00)
定休日 日曜

URL http://aromaborealis.com/

◆ Northern Tales Travel Services
(ノーザン・テールズ・トラベル・サービス)

ユーコンでオーロラ観賞が楽しめるのは、白夜となる夏季以外。例年、8月末あたりからがシーズン。この会社のオーロラ・ツアーは、飲み物や軽食の用意されたロッジでオーロラを待つ快適なスタイル。

Northern Tales Travel Services(ノーザン・テールズ・トラベル・サービス)

電話番号 867-667-6054
営業時間 8:00~22:00
定休日 無休

URL http://www.auroraborealisyukon.com/

◆ Burnt Toast Café
(バーント・トースト・カフェ)

ホワイトホースのダウンタウンに位置するカフェ。バーント・トースト・グリルドBLT(12カナダドル)が一番人気。タコスやメキシカン・ラップなどのメキシコ系のメニューも美味しい。

Burnt Toast Café(バーント・トースト・カフェ)

電話番号 867-393-2605
営業時間 8:00~21:00
定休日 火・水曜のディナー

URL https://burnttoastcafe.ca/

【プリンス・エドワード島州】

好漁場で知られるニューファンドランド島に近く肥沃な土地にも恵まれた、美食アイランドを訪ねる。

島の魅力に惹きつけられたカナダ有数の人気シェフ

◆ The Inn at Bay Fortune
(ジ・イン・アット・ベイ・フォーチュン)

カナダとアメリカとの国境近く、大西洋に浮かぶプリンス・エドワード島は、セント・ローレンス湾の庭園とも呼ばれる美しい島だ。日本でこの島の話題になると、3名の人物の名前が挙がる。『赤毛のアン』の著者モンゴメリと主人公のアン、そしてこの本を訳して日本に紹介した村岡花子だ。ここにもうひとりの男性の名前が加わる日も、そう遠くはないだろう。

カナダを代表するスターシェフ、マイケル・スミス。身長190cmを超す大男が繊細な料理を作る。

男性の名前は、マイケル・スミス。1990年代にこの島のホテルのシェフとして名を上げ、料理番組への出演で人気が沸騰した。バンクーバー冬季五輪の総料理長を務めたほか、レシピ集も多数出版している。2015年、マイケルは自分が働いていたホテルを買い取り、リニューアルを施した。ここではプリンス・エドワード島を“美食アイランド”として紹介したい。

ニューヨークに生まれ、中南米からヨーロッパまで世界中で修業をしたマイケルは、この島に魅せられた理由を「信じられないくらい食材が豊かだから」と語る。ホテル敷地内の広大な菜園を案内しながらマイケルは続ける。

「野菜やハーブは自分たちで育てますし、カキは目の前の海で採れたもの。食材の生産者のほかに島には優れたアーティストもたくさんいて、彼らの作品も紹介したいと思っています」

左:前菜は濃厚なトラディショナル・シーフード・チャウダー。
右:メインはポークロインのグリル。地元の野菜を添えて。

長テーブルを使うのは、家族のような雰囲気を感じてほしいからだとか。

夕刻、「ジ・イン・アット・ベイ・フォーチュン」のディナーが始まる。宿泊する観光客だけでなく、食事を楽しみに地元の人も集まってくる。海産物からも農産物からも作り手の顔が見え、絶品料理がゲストを笑顔にする。

プリンス・エドワード島の自然や風土は、モンゴメリ(とアン)の想像力だけでなく、食も豊かに育んだのだ。

腕っ節の強い料理人がデザートを仕上げる。

左:ゲストの子どもたちにドレッシングを作らせる楽しい演出。
右:タワー棟には客室が5部屋。ここは最上階の部屋。

これだけでも楽しい!!夕食前に前菜をはしご

オイスター・アワーは1時間。19時よりフィースト(宴)と呼ぶディナー開始。

ディナーの前に、18時からオイスター・アワーが開宴。室内では生ガキ、庭では多彩なグリル料理が供され、飲み物を片手に回遊。満腹にならないよう注意。ディナー込みで125カナダドル。

厚い鴨はタコスとともに。

庭で販売される地元ビール(10カナダドル)。

朝食も豪快!パンを直火焼き

左:マイケルによれば、FireWorksは「アトリエの位置付け」だとか。
右:FireWorksも石窯もテーブルから見えるので期待が高まる。

食材にこだわることと並んでマイケルが大事にしているのは、食材の味が生かされる炭火でグリルすること。肉や魚、野菜はFireWorksの直火、パンは隣の石窯でも焼く。

The Inn at Bay Fortune(ジ・イン・アット・ベイ・フォーチュン)

所在地 758 Route 310, Bay Fortune, Prince Edward Island
電話番号 902-687-3745
客室数 15室
料金 275カナダドル~

URL http://innatbayfortune.com/

美食を支える職人たち

プリンス・エドワード島は食材の宝庫であるが、生産量が多くないので現地でしか味わえないものも多い。高く評価されるマイケルの料理を陰で支える、味にこだわる職人たちを紹介したい。

◆ デニス

マイケルのホテルの目の前で、親子2代で漁業を営むデニス。カキの水揚げの9割以上をマイケルのレストランに卸す。ベイ・フォーチュンは水深が浅いので日光が水底に届き、植物性プランクトンが育つことからカキの殻が緑に、しかも味わい深くなる。

◆ Myriad View Distillery
(ミリアド・ビュー蒸留所)

オーナーのケンは昔ながらの手法で蒸留酒“Strait Shine”を造る。この名称は禁酒法時代に、月明かりの下で造ったことに由来する。

Myriad View Distillery(ミリアド・ビュー蒸留所)

電話番号 902-687-1281
営業時間 10:00~18:00(日曜 11:00~17:00)
定休日 無休

URL http://straitshine.com/

◆ Glasgow Glen Farm
(グラスゴー・グレン・ファーム)

かつては料理学校で教鞭を執り、マイケルの下でスーシェフを務めた経験もあるジェフが開いた自家製のチーズを売る店。店頭で焼くピッツァも人気。

Glasgow Glen Farm(グラスゴー・グレン・ファーム)

電話番号 902-963-2496
営業時間 9:00~17:00(金曜 ~18:00)
定休日 日・月曜

URL http://glasgowglenfarm.ca/

◆ Chef Michael’s Flavour Shack
(シェフ・マイケルズ・フレイバー・シャック)

オーナーのケンは昔ながらの手法で蒸留酒“Strait Shine”を造る。この名称は禁酒法時代に、月明かりの下で造ったことに由来する。

Myriad View Distillery(ミリアド・ビュー蒸留所)

電話番号 902-687-1281
営業時間 10:00~18:00(日曜 11:00~17:00)
定休日 無休

URL http://straitshine.com/

小さくて可愛い街、シャーロットタウンへ

カナダ連邦発祥の地となったこの街の名前はイギリス国王ジョージ3世の王妃に由来する。歴史があるだけに、街を散策するのも楽しい。

◆ Griffon Dining Room
(グリフォン・ダイニング・ルーム)

ダンディ・アームズ・イン内のこのレストランは、プラムプディングなど『赤毛のアン』に登場するメニューを現代的にアレンジした“Anne’s Country Dinner”を用意。料金は各ツアー会社に確認のこと。

Griffon Dining Room(グリフォン・ダイニング・ルーム)

所在地 200 Pownal Street, Charlottetown, Prince Edward Island
電話番号 902-892-2496
営業時間 朝食 7:00~11:00/ブランチ 7:00~14:30(土・日曜)/ランチ 11:00~/ディナー 17:00~
定休日 無休

URL http://eden.travel/

※“Anne’s Country Dinner”は要予約

お土産に名物ロブスター

◆ Anne of Green Gables Chocolates
(アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ・チョコレート)

店内には様々なチョコレートが並ぶ。お土産にはグミをチョコでコーティングした“甘い”ロブスターを(5.99カナダドル)。

Anne of Green Gables Chocolates(アン・オブ・グリーン・ゲイブルズ・チョコレート)

電話番号 902-368-3131
営業時間 9:00~19:00(土曜 ~18:00、日曜 11:00~17:00)
定休日 無休

URL http://annechocolates.com/

◆ IN good TASTE
(イン・グッド・テイスト)

島の海産物を多く扱うギフトショップでは、ロブスターのパテをチョイス。各12カナダドル。

IN good TASTE(イン・グッド・テイスト)

電話番号 902-367-5500
営業時間 11:00~18:00(日曜 ~17:00)
定休日 無休

URL http://ingoodtastepei.weebly.com/

撮影=志水 隆 取材・文=サトータケシ
 地図=Cmap コーディネイト=本山直人(ユーコン)
 協力=カナダ観光局、ユーコン準州観光局、プリンスエドワード島州政府観光局

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