愛すべきアイランド・グルメ

愛すべきアイランド・グルメ

お気に入りに追加
愛すべきアイランド・グルメ-イメージ1

プリンス・エドワード島で一番重要な産業といえば農業。主要作物はジャガイモ。その生産量はカナダで一番で、国全体のジャガイモ3割強がこんな小さな島から出荷されている。その他、大豆、麦類、穀物類、カノーラオイルの原料となるカノーラ、トウモロコシやストロベリー、クランベリー、アンチ・エイジング効果抜群のワイルドブルーベリーなど、様々な作物が育てられている。

漁業も盛んな産業のひとつ。ロブスター、ムール貝、牡蠣、ホタテ貝、あさり、はまぐり、さば、たら、ひらめ、クロマグロなど、豊富な魚介類に恵まれている。特にムール貝は、カナダの80%近い生産量を誇っており、牡蠣はニューヨークのオイスターバーでは、最高級牡蠣として取り扱われている。

酪農も盛んだ。牧草をはむ牛たちがのびのびと放牧され、馬が気持ちよさそうに草原をかける牧歌的な光景がプリンス・エドワード島の典型的な風景となっている。このように恵まれた環境で育てられた牛たちから採れる牛乳、クリーム、チーズ、バター等の乳製品は、新鮮で美味しいと評判だ。

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ4

これほど豊かな食材が揃っているプリンス・エドワード島。いったい、島の人たちって普段どんなものを食べていると思うだろうか。それは、素朴だが、ほっぺたが落ちそうなほどに美味しいものばかり。これからアイランダーが愛するアイランド・グルメを紹介しよう。

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ5

アイランド・グルメの王道と言えば「ロブスター・ロール」だろう。普通、ロブスターは、まるごと茹でたものを、殻をむきながらダイナミックに食べるのが一般的。島には、ロブスター・サパーというロブスターのフルコースが食べられるレストランがたくさんある。ロブスター・ロールは、このフルコースのロブスターに比べれば、カジュアルなメニューとでもいいえるだろうか。どんなものかというと、茹でたロブスターの身をほぐし、マヨネーズと和えてロールパンにはさんだもの。食パンにはさんで「ロブスター・サンドイッチ」と呼ぶこともある。

たかだかロブスターの残りものを挟んでいるだけでしょ・・・と思った人、侮ってはいけない。余ったロブスターを使っている家庭もあるかもしれないが、レストランでは、ロブスター・ロール用にちゃんとロブスターを茹でて、身をほぐして、ロールに詰め込むのだ。冷たい北の海で育った身の引き締まったロブスターは、ぷりぷりとしていて、マヨネーズとパンととてもあう。

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ6

プリンス・エドワード島のマクドナルドでは、毎年6月~9月に「マックロブスター」が登場する。マクドナルドの正真正銘のご当地バーガーだ。マックロブスター目当てにわざわざマクドナルドに立ち寄る観光客もいるほど。この時期、プリンス・エドワード島を訪れたら、ぜひお試しを。

昔ロブスターは、肉が食べられない貧しい家の食事だったらしい。海岸に行けば、ごろごろとロブスターが採れたとのこと。学校でも、ロブスター・ロールをランチに持ってくる子供たちは、恥ずかしくて隠して食べていたそうだ。それがいまや、高級品として島を支える収入源となったのだから面白い。
高級とはいっても、島では、新鮮なものをお手頃な価格で購入することができる。都会で目の飛び出るような高いロブスター料理を見るたびに、つくづくこの島は恵まれていると思う。 

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ7

次に紹介したいのが「シーフードチャウダー」。一度食べたら病みつきになってしまう名物料理。よく「クラムチャウダー」は聞いたことがあると思うが、島のチャウダーは、文字通りシーフードが入っているので「シーフードチャウダー」。クラムだけではなく、島で獲れる魚介類が全てつまっている贅沢なチャウダーなのだ。

白身魚、ムール貝、ホタテ貝、ロブスターなどのシーフードが惜しげもなくチャウダーの中に投入されている。それだけではない。島のチャウダーには、ほどよく煮崩れたジャガイモが入っている。ジャガイモを入れると、自然なとろみが出て、まろやかで、なんとも幸せな優しいチャウダーになる。さすがポテトの島、プリンス・エドワード島。ジャガイモが入っていなければ、島のシーフードチャウダーとは言えないだろう。

それぞれの家庭でそれぞれのシーフードチャウダーの味があり、レストランでも、それぞれの味がある。とろみの濃いチャウダーやさらっとしたチャウダーなど、そこがシェフの腕の見せ所なのかもしれない。シーフードチャウダーを食べ歩きして、自分のお気に入りの味を見つけるのも楽しい。

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ10

「フィッシュ&チップス」も、絶対食べてもらいたいメニューのひとつ。港の近くにあるような、気取らないレストランや屋台に毛の生えたような店が、とびっきり美味しい「フィッシュ&チップス」を提供してくれる。
フィッシュの白身魚は、鮮度抜群のたらが使用されていることが多く、肉厚の身はジューシーで食べ応え満点。衣は、天ぷらのような衣だったり、パン粉のようにさくっと仕上げたり、店によって千差万別だ。

チップスのフライドポテトが、これまた美味しい。何度も言うようだが、カナダ一のジャガイモ王国、ポテトがまずいはずがない。しかも近頃は、冷凍のフライドポテトを使うところが少ない。新鮮なジャガイモをスライスして、丁寧にフライにしているお店が多くなっている。島民の舌が肥えてきたのか、フライドポテトひとつにしてもこだわりが現れているような気がする。この島に来ると高カロリーなフライドポテトとわかっていても、ついつい食べ過ぎてしまう。

フライドポテトに限らず、ベイクトポテトや、ポテトサラダ、マッシュポテトにスキャロップポテト、ジャガイモ料理は何を食べても美味しい。ジャガイモはアイランド・グルメの大黒柱だ。そういえば、島には日本のようにポテトコロッケの揚げたてを、店先で、はふはふ言いながら食べる習慣がない。誰かやってみないだろうか。きっと人気が出ると思う。

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ13

話は少し脱線するが、つい最近、島にベイクトポテト専門店がオープンした。島の北海岸、キャベンディッシュ村にあるアヴォンリー・ヴィレッジにある。ちなみに、アヴォンリー・ヴィレッジは、赤毛のアンや作者モンゴメリに関連づけた建物が集められているテーマパークのような場所。ベイクトポテトの店は、早くも島っ子たちのハートをつかんでしまったようで連日大盛況だそう。プルドポーク(割いた細い豚肉)を乗せたものや、チキンのカレー風味のものだとか、クリエイティブでバラエティに富んだベイクトポテトが楽しめる。
Avonlea Village:http://avonlea.ca/

フィッシュ&チップスは、どちらかと言うとファーストフードに入るグルメだと思う。できたてのほやほやを、フーフー言いながら食べるのが一番美味しい。そしてぜひ、港や海の見えるレストランで食べてほしい。海辺の絶景を見ながら食べる熱々のフィッシュ&チップスこそアイランド・グルメなのだ。

愛すべきアイランド・グルメ-イメージ14

最後に、ある時期しか食べられない絶品アイランド・スイーツを紹介しよう。それは「ストロベリーショートケーキ」。ストロベリーショートケーキと言えば、あの、スポンジケーキとイチゴと生クリームのショートケーキを思い出すことだろう。でもプリンス・エドワード島のストロベリーショートケーキは違う。スポンジ生地は使わない。初めて島のストロベリーショートケーキを食べた時は衝撃だった。こんなに美味しいものがあるのかと。島の子供たちも大人もみんな大好きなデザートだ。

材料は、生クリーム、イチゴ(プリンス・エドワード島産のイチゴに限る)、イチゴソース、スコーン。ちなみに、スコーンは島ではビスケットと呼ばれている。まず、スコーンを水平に二つに切る。下半分のスコーンの上に、イチゴソースとスライスしたイチゴをたっぷりのせ、上半分のスコーンでふたをする。もちろんイチゴソースも手作り。新鮮なイチゴをお砂糖で煮詰めて作る。ジャムよりはさらりとした感じ。スコーンの上から生クリームとイチゴソースをたっぷりかけ、トップに大きめのイチゴをポンと置いたら出来上がり。いたってシンプル。でもそのシンプルさが美味しい。

島のイチゴシーズンは7月にやってくる。露地栽培で太陽のもとで赤くなったイチゴは大きくて限りなく甘い。イチゴ栽培農家は、この時期「U-Pick」という看板を掲げ、イチゴ摘みをさせてくれる。ストロベリーシーズンになると、家族総出でイチゴ摘みに出かける人たちを良く見かける。バケツやタッパーを持参して、イチゴを一杯に摘んで持ち帰るのだ。代金は、摘んだ分だけの量り売り。バケツやタッパーがない人には、畑で小ぶりのバスケットも売ってくれる。摘んできた大量のイチゴは、新鮮なまま食べられるだけ食べる。余ったイチゴは冷凍したりジャムにしたりして、少しでも長く食べられるように保存する。こうして島の人たちは、短いイチゴの季節をできるだけ長く味わおうとしているのだ。

島のストロベリーショートケーキは、新鮮な島のイチゴがなければ作れない。イチゴの旬の時期しか出回らない期間限定の絶品アイランド・グルメなのだ。

食べ物と言うのは、その土地の文化であると思う。美味しいものがたくさんあるということは、そこには、味わい深い伝統文化があるということなのかもしれない。

コメント

  • 池野 愛理

    海外の食べ物はよく、日本人の口には合わないと言われますが、この記事を見る限り、特に日本になじみのなさそうな食材はなく、むしろ野菜や海産物でもメジャーな物がありそうなので、海外のジャガイモの味ってどんなものだろう?や、スイーツもおしゃれでおいしそうと思い、とても行きたいという気持ちが芽生えました。
    子供が生まれる前に、旦那と一緒に新しい物を発見する旅へと出たいです。

コメントを残す