ナイアガラの滝誕生の謎

ナイアガラの滝誕生の謎

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観光地としてあまりにも有名なナイアガラの滝。一生に一度は行ってみたい場所であり、訪れる人を魅了して止まない。水量豊かな夏が正にシーズンであるが、それとはまるで異なる冬の顔を重ね合わせて探っていくと、そこにはナイアガラのたどった数奇な運命が浮き彫りになってくる。ナイアガラ滝誕生の謎を探り、その魅力に迫る。

ナイアガラ カナダ滝 全景(夏)

ナイアガラ カナダ滝 全景(夏)

ナイアガラ カナダ滝 全景(冬)

ナイアガラ カナダ滝 全景(冬)

ナイアガラの滝誕生の謎-イメージ1
下流部の激流

ナイアガラの滝は、一体どのようにして誕生したのか。 滝から5キロ下った先の激しい川の流れ、そして川岸に沿って広がる森の中に滝誕生の手がかりがあるという。

ナイアガラの滝誕生の謎-イメージ2

森の中に奇妙な穴の開いた岩がゴロゴロと並ぶ。その中の一つ巨大な岩の真ん中を貫く大きな穴は目を見張る。

これらはすべてポットホールと呼ばれるもの。流れの激しい川の底や滝壺でできるものである。

ナイアガラの滝誕生の謎-イメージ3
ポットホール(甌穴)

岩のくぼみに小さな石が流れ込むと、水流によってドリルの刃のようにクルクルと回転。くぼみは次第に大きくなり、やがて岩を貫通するような穴をあけてしまう。

これほど大きなポットホールは、世界的にも珍しいとのこと。かつて凄まじい水の流れがここにあった証である。

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エリー湖 ケリーズ島

ナイアガラの滝を生み出したのは想像を絶する激流。しかし膨大な量の水は、一体どこからもたらされたのか。

その謎を追ってさらに数万年前の痕跡をたどってみる。

ナイアガラの滝の20キロ上流に広がるエリー湖。上空から見ると島の中に飛行場の滑走路のような一画がある。

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氷河の擦痕

近づいてみるとそれは大きな岩盤。そしてそこには幾筋もの太い溝。まるで巨大な彫刻刀で削ったかのようである。それがまっすぐ100mにもわたって続いている。

擦痕(さっこん)と呼ばれる岩盤の溝。それは氷河によって削り出されたもの。かつてこのあたりは氷河に覆われていたのである。

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迷子石(表)

ナイアガラの滝を挟んでエリー湖の反対側、オンタリオ湖の近く。森の中に巨大な岩がポツンと。

幅14メートル、高さ7メートル。重さは1000トン。

近くに岸壁もなく激流が削りだした落石ではない。この巨大な岩は氷河が運んできたものだった。

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迷子石(裏)

「氷河が削った岩盤の溝」と「巨大な迷子石」。

ナイアガラの滝を生んだ膨大な水がもたらされたいきさつが見えてくる。

11万年前、絶え間なく降り積もる雪は氷河となり、北極圏から北アメリカ大陸へと広がり始めた。

氷河は、その過程で迷子石を運び、岩盤を削って五大湖を生み出した。

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ナイアガラ 冬

氷河は、やがて大陸の北半分を覆う「氷床」へと成長した。

厚さ3000mの氷床。

そのとてつもない重さは地殻そのものを沈みこませるほどだったと考えられている。

夏とはまったく違う装いを見せる真冬のナイアガラの滝。

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ナイアガラ 夏

この一帯の気温は、氷点下20度を下回る。

五大湖のほとんどが凍りつき、純白の雪原がどこまでも広がる。

はるか昔、北米大陸の半分が厚い氷床に覆い尽くされていた。

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ナイアガラ滝の落下口 シャーベット状の水流

2万年前、現在との気温の差は15度。五大湖周辺が、いまの北極圏と同じような寒い環境だったことになる。

とてつもない寒さが、地球を包み込んでいた。

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五大湖の洞窟

「氷期」は、およそ10万年。

その後、1万年程の「間氷期」を経て再び「氷期」へ。この周期が繰り返されてきた。

過去100万年の間に、氷期が8回あったこともわかっている。

最後の氷期が終わったのは1万3000年前。

急激に地球が温暖化し氷は一気に溶け出した。

ナイアガラの滝誕生の謎-イメージ12

人々を魅了する滝の絶景。

それは氷河期が作り上げた大自然の芸術である。

【NHK BSプレミアム グレートネイチャー特別編「地球事変 氷河期」より】

コメント

  • ジュンコ

    夜になるとナイアガラの滝は止まるってホントですか⁉

  • キョウコ

    節約ですね!

  • K.Y.

    カナダ滝の滝つぼに入ると水の勢いに圧倒されます

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