02. キャンプで注意すべきこと

永遠のカヌー02. キャンプで注意すべきこと

お気に入りに追加

初めてのカヌー探検の舞台、アルゴンキン州立公園を目指して車を走らせていく。1893年設立のオンタリオ州最古の州立公園は、面積7,630平方キロと、東京都の3倍以上の広さを誇っている。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ3

トロントから北上すること、約3時間の距離。途中、道端にはシカやムースに気をつけろ、という看板がやたらと現れる。

ムースというのは巨大な角を持つヘラジカのこと。小さなものでもその体重は数百キロになる。現地で聞いた話だけれど、車でムースに衝突すると、運転しているこっちの方が危ないらしい。

確かに、ムースの巨体がフロントガラスを突き破って運転席に突っ込んでくる光景を思い浮かべると、まあ、十中八九、助からない気がする。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ4

シカやムースだけでも大変なのに、道路わきには時々、こんな看板まで登場する。道路を横切るスノーモービルに注意しろ、という標識だ。

オンタリオ州内にはたくさんのスノーモービルコースがあって、道路を横切るようなコース設定もされている。だから冬になるとスノーモービルにも注意しなければならない。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ5

いろんなものが飛び出してくるんだなあ、などと考えていると、今度は「ヒト」の看板だ。ええっ、人まで飛び出してくるのか、と思ったけれど、次の瞬間、僕はひとり苦笑していた。考えてみれば、日本でだって人は飛び出してくる。

でも、シカ、シカ、ムース、スノーモービル、ムース、ヒトと来ると、なぜかジョーカーを引いた時みたいに「わあっ」とヒトにびっくりしてしまうんだ。

シカやらムースやらの黄色い標識を見すぎたせいで、ちょっと感覚がおかしくなっている。カナダ旅行の最中にもし機会があったら、この倒錯したドライブをぜひとも体験してほしいと思う。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ6

さて、これから僕がカヌーやキャンプを体験するアルゴンキン州立公園では、トイレや車の駐車など、施設の利用には必ずパーミット(認可証)を購入しなければならない。

キャンプのパーミットも、キャンピングカーなのかテントなのかで料金が違う。僕がこれから体験するのは「インテリア・キャンプ」というもので、湖畔でのテントによるキャンプをこう呼ぶんだそうだ。

手続きを済ませたあとは、この写真にあるような店でカヌーをレンタルする。ここでは売店のほかに、キャンプを終えた時にさっぱりするためのシャワーなんかも備わっていて、なかなか立派な施設だ。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ7

店の前にはアルミ製のカヌーがずらりと並べられていた。きれいな銀色のお腹をした魚のようだ。

ただし、僕が借りるのはこのカヌーじゃない。アルミ製のカヌーは頑丈だけれど、かなり重たいため、カヌーをかついで陸地を進む「ポーテージ」には不向きだ。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ8

ポーテージに最適なのは、グラスファイバーよりさらに軽くて強い「ケブラー」という素材でできたカヌーなんだそうだ。

湖畔に置いてあるケブラー性のカヌーの船底を見てみると、確かに傷はついているけれど表面だけにとどまっている感じだし、耐久性はかなりのもののようだ。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ9

湖畔にある「パーミット・オフィス」では、これからカヌーを漕ぎだそうという人たちのために、キャンプでの注意点に関する掲示などがある。ホワイトボードには熊の絵が描かれていた。

ずらりと赤字で湖の名前が並んでいる。つまり、どの湖に行くにしても、熊には気をつけろってことだ。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ10

天井からは青いプラスチック製の「樽」が吊るされている。インテリア・キャンプでは、食料は木に吊るして熊に食べられないようにするのが鉄則だ。

それを怠けて地べたに置いておくと、こんなふうに熊に食い破られてしまうことになる。「熊の国へようこそ」と書いてあった。

02. キャンプで注意すべきこと-イメージ11

パーミット・オフィスではもう1つ、重要な注意事項についての展示がされていた。「サンダー・ボックス」という名前の木製トイレだ。

アルゴンキン州立公園では、湖畔でインテリア・キャンプをできる場所が指定されていて、そこには予めこのトイレが設置されている。

深い穴を掘って、その上に「サンダー・ボックス」を置く。穴がいっぱいになったら別の場所にまた穴を掘り、「サンダー・ボックス」を新しい穴の上へと移動させる。使い終わった穴は土で埋め、あとは自然に戻っていく、という寸法だ。

用を足した後、このチェーンでつながれたフタをおろすと、これが結構な重さで「バターン!」と大きな音を発生させる。それがまるで雷のようなので「サンダー・ボックス」と呼ぶんだそうだ。

「雷」が鳴るとトイレが空いたことが分かるから便利、なんだと聞いたけれど、そんなに景気よく「雷」を鳴らさなくてもいいんじゃないか。

僕は湖畔のキャンプで、大自然の素晴らしさに浸っている時に、バターン!と「雷」が鳴る光景を思い浮かべていた。蓋は静かに閉めて、「空きましたよ」と言えば済むんじゃないかー。僕はそう思う。

コメントを残す