02. メープルシロップは「さら、さら、さら」

メープルシロップ ワンダーランド02. メープルシロップは「さら、さら、さら」

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僕が今いるのはカナダの首都、オタワ郊外にあるシュガー・シャック(砂糖小屋)、「ウィーラーズ・パンケーキ・ハウス」。

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シュガー・シャックというのは、砂糖カエデの木からその樹液(メープル・サップ)を採取し、シロップを作っている生産者の施設。だから砂糖小屋と呼ばれる。

ずっと昔は文字通り、屋根ぐらいしかないただの作業小屋だったけれど、今、シュガー・シャックと言えばメープルシロップにちなんだ料理を楽しむことができるレストラン兼観光施設みたいなものになっている。

料理を楽しみ、メープルの歴史を少し学び、お土産にメープルシロップを買って帰る、といった感じだ。

さて、「ウィーラーズ・パンケーキ・ハウス」はその名の通り、パンケーキが自慢のシュガー・シャックだ。

それにしてもどうだろう、このページのトップ写真を見てほしい。僕の目の前で、パンケーキの上に注がれたメープルシロップが「さら、さら、さら」と流れていく。「さら、さら、さら」―だ。

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メープルシロップよりも先に、焼きたてのパンケーキのてっぺんに置かれたバターが、まずはゆっくりと溶けながら端っこへとすべり落ちていく。

音で表現すると、その溶け方は「シュシュシュシュシュー」って感じ。もちろん、実際にはそんな音はしないけれど。

その「シュシュシュシュシュー」を追いかけるように、パンケーキに注がれたメープルシロップが、「さら、さら、さら」―。いっしょに流れついた先には、これまたメープルシロップ味のソーセージが待っている。

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メープルシロップで味付けしたソーセージやベーコンもまた、メープル料理の定番中の定番だ。

メープルシロップと肉料理って日本人にはあまりイメージできないかもしれないけれど、実はとってもよくあう。

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肉にあう、と聞いて頭の中にクエスチョン・マークが浮かんでくる人がいたら、それは甘味のくどい「メープル風シロップ」みたいなもののイメージが強すぎるからだと思う。

そんなことじゃあ、まだまだ本当のメープルシロップの味を知らないってことだと思う。

メープルシロップがいかに肉料理にあうかを説明する前に、まずは多くの日本人がメープルシロップについて何も知らないってことを分かってもらう必要がある。

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例えば近所のスーパーなんかでは、こういうパンケーキシロップとかケーキシロップといった商品が売られている。

メープルシロップは入っているものの、もちろんこれはメープルシロップではない。別にこうした商品を批判するつもりは毛頭ないので誤解しないでほしい。ただ、メープルシロップとは何か、を伝えたいだけだ。

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僕はカナダに行き始めたころ、空港よりも安いので、地元の人が使うスーパーでメープルシロップを買っていた。その際、スーパーなどでメープルシロップを買う場合は「100%」とか「PURE」と書いてあるかどうかを確認した方がいいとアドバイスされた。

しかしまあ、「100%」とか「PURE」を確認するなんて、実はまだまだメープルシロップの入門編ですらない。

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日本でも大きめのスーパーなら本物のメープルシロップを売っているけれど、そのラベルをよく見てほしい。大半のメープルシロップが「Canada No.1 ミディアム」と書かれていると思う。

でも、「Canada No.1」には3種類あって、「ミディアム」の上に「ライト」、さらにその上には「エキストラ・ライト」というグレードがあるんだ。

カナダでは「Canada No.1」から「No.3」まで3つの等級によってメープルシロップは区別されていて、さっき言ったように「No.1」の中にはさらに3つの種類がある。そして「No.2」はアンバー、「No.3」はダークと呼ばれている。

・Canada No.1 エキストラ・ライト(AA)
・Canada No.1 ライト(A)
・Canada No.1 ミディアム(B)
・Canada No.2 アンバー(C)
・Canada No.3 ダーク(D)

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日本ではどこででも売っているわけじゃないけれど、ぜひ一度、輸入食品の店を覗いて「Canada No.1 エキストラ・ライト」を味わってほしいと思う。

エキストラ・ライトは、まだ寒い2月下旬から3月上旬ごろに砂糖カエデから収穫された樹液(メープル・サップ)で作られるシロップだ。樹液の収穫時期が遅くなるにつれて、作られたシロップはだんだんとカラメル色が強くなり、コクと深みが増していく。

最高級のエキストラ・ライトは、軽やかで上品な甘味が特徴だ。そして何といっても、恐ろしくさらさらしている。だからパンケーキの上を流れていくんだ、「さら、さら、さら」と。あと味が本当に爽やかで「くどさ」は皆無。「さわやか」という言葉がぴったりのメープルシロップだ

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だからバゲットにかけても、その染み込み方が違う。すうっと軽やかにバゲットに馴染んでいく。

ここでカナダを旅する方々に重要なアドバイスをしておきたい。お土産はミディアムでいい。でも自分用にはたっぷりと大きな容器でエキストラ・ライトを買って帰ろう。

ちょっとせこい話だけれど、エキストラ・ライトはなかなか日本ではお目にかかれないし、それに一度味わっちゃったら、とても人にあげる気になんてなれないんだ。

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