07. カナダの夢と希望と喜びと笑顔の記憶

2015~16年フィギュアスケート、カナダ大会撮影記07. カナダの夢と希望と喜びと笑顔の記憶

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KidsSkateカナダの冬の暮らしには、スケートは欠かせない。熱心なカナダ人は、子供が産まれてよちよち歩きが始まると同時にスケート靴を履かせる親がいると聞く。スケートと家族はカナディアンの記憶の中で深く結び合っている。トロントの 公立小学校で冬になるとスケートの授業があることを知ったのは息子たちを通してのことだったが、同級生にはビックリするほどスケートが上手な子供がいた。日本生まれの彼らは、カナダでスケート・デビューを果たした。

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この国にスケートが浸透しているのは、スケートカナダという組織が中心的な役割を果たしているからだ。その会員は18万人、活動の歴史は長い伝統がある。 彼らは「Skate for Life」というプログラムで正しいスケーティングを小さい頃から教え、頭角を表すと「Skate to Win」というプログラムでトップアスリートへと育ててゆく。彼らの夢はフィギュアスケート、アイスホッケーのトップアスリートに選ばれ、国を代表して赤が鮮やかなメープルの国旗を中央にはためかせることだ。
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確かにスケートで世界の頂点に立つことは大きな目標だが、カナディアンにとってより大切なことはスケートを楽しむことのように感じることもある。

こんな記憶がある。冷え込んだ冬のある夜。時計の針は夜中の12時を回っていた。ダウンタウンを厚手のコートに身を包み、 足早に家路に向かっていた時のことだ。通りすがりのトロント市庁舎前のスケートリンクから、声が聞こえてくる。彼らはコートを脱ぎ捨て、ホッケー・スティックを手にして真っ白い煙のようなものを口から吐いている。パックを叩く乾いた音が、夜空に響く。アイスホッケーをやっているのだ。なかなかの寒い夜だったが、ときおり歓声をあげる若者たちは実に楽しそうだった。

世界最高峰の選手が競うアリーナから街の片隅にあるコミュニティー・リンクまで、カナダのスケートシーンには夢と希望と喜びと笑顔の記憶がいっぱい詰まっている。そう信じたい。

写真協力
ベースボール・マガジン社「フィギュアスケート・マガジン」

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