02.  物語のスタートはBC州プリンス・ジョージから

絶景列車「スキーナ号」に思いを馳せて02. 物語のスタートはBC州プリンス・ジョージから

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さて、日本を出発した私は、バンクーバー経由でBC州プリンス・ジョージに到着。BC州は日本から一番近いカナダであり、面積は日本の約2.5倍。BC州北部では最も人口が多い。ホテルに着いたのは日付も変わった0時。この日はこのまま休むことにした。

朝の8時。ホテルを出て周りを散歩してみることにした。ホテルのロビーを出ると、ロードバイクで旅してきた逞しそうな2人組がエンジンをふかし今からまさに出発しようとしている。出発の時をカメラに撮ろうとしたら満面の笑みをくれた。この土地はこれから旅をするいろんな旅行者の出発の原点なのかもしれない。

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実際、プリンス・ジョージは東西に走る16号線と、南北を結ぶ97号線とが交わり、交通の要となっている。また、古くは毛皮の交易所として栄え、現在は林業やノーザンBC州のハブとしての機能が充実している。

まだ朝早く、空を見上げると月がうっすらと晴れた青空に残っている。ひんやりとした風、でも日差しは暖かく、とても爽やか。こじんまりした街並みと、まだ人もほとんど歩いていない静かな朝だった。

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そこで今度は ホテルの反対側まで歩いてみると ホテルから徒歩5分のところにある週末限定のファーマーズマーケットを発見した。常設のファーム小屋と、その前の広場では20店舗ほどのこじんまりした地元の朝市をやっていた。近くで採れた野菜や蜂蜜、花、パン、手作り石鹸まであって、地元の買い物客とお店の人が談笑をしている。こじんまりした雰囲気がこの街にぴったりだった。まさに理想の朝の過ごし方だ。週末の朝、そこにはゆったりとした空気が流れていた。

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朝の散歩を終え、荷物をまとめ、いよいよ出発点、プリンス・ジョージ駅へ。すでに線路にはカナダ国鉄の貨物列車が、何キロにも渡り止まっていた。

しばらくすると出発の15分ほど前にジャスパーまで行くスキーナルート(旧スキーナ号)がやってきた。3両ほどの可愛らしい緑の列車。列車の顔にはVIA rail Canadaと書いてある。運転手さんも2名で交代運転するそうで、乗り込み始めた。

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冬の間の乗車は操縦席、客席、展望席のみで運転するため、短い車中を簡単に移動することができ、最後尾にある展望席は2階建てのため、上に上がると透明の半ドーム型の屋根から180度大自然を楽しめる。

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プリンス・ジョージを出発し、列車は時速70kmでゆっくり進んでいく。
街中の景色を背にし、緑と空の青、雲の白。この景色がゆったりと心に刻まれていくのがわかる。到着のジャスパーまでおよそ9時間列車に乗るのだが、全くもって飽きがこない。少しずつ変わっていく風景。

列車の両側には新緑の緑の木々、走っていると湖があってそこには白い雲が浮かび、田園が見えてくるとファームにいる人が手を振ってくれる。

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雄大な景色を見て思いを馳せているとふと1階の展望室の横にある食堂車にいた乗務員のトランシーバーが激しく鳴ったと共に速度がゆっくりになる。
そのおじさんは窓に駆け寄り、そして「3匹のベアがいるぞ ほらあそこだ!」と私たち乗客に教えてくれた。あまりにも突然の出来事でふと我に返った私は見られなかったことを伝えると「なーに まだ他にも動物見ることができるさ。なんせ毎日景色も違うんだから」と教えてくれた。

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ほぼ1日をかけ列車の中から、変わっていく雄大な景色をただ見る。日本にはない。まさに最高な時間の使い方だ。人生観さえ変えてしまうほどの景色と静かな時の流れがスキーナの中にはある。ただ単なる移動手段としての列車ではない。雄大な自然を存分に”堪能”することを目的とした列車だ。

そして時々、小さな田舎の道路や線路を渡る時に鳴らされる列車のプーッというクラクションが、ゆったりとした空気感の中でのアクセントになる。

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乗務員のおじさんとトークも弾む。こんなにいい景色を見られて、毎日違うお客さんが来るんだから最高さと言っていた。そして週1回の休みには山にハイキングに行くそうだ。 ちょうど私が乗った3日前の休みにはロッキー最高峰のマウントロブソンにハイキングに行ったそうで、嬉しそうに撮った写真を見せてくれた。 こんなやりとりも楽しい。
マウントロブソンへの予習をおじさんのおかげで存分に済まし、実物を見るのがますます楽しみになっていた。

コメント

  • 大久保 裕紀

    14~15年前の初夏の頃、「ロッキーマウンティニア号」という観光列車で、バンクーバー⇒カムループス(ホテル泊)⇒バンフまでの昼間だけ運行する列車に乗りました。展望車のドーム型透明ルーフも見覚えがありますし、その時は食堂車ではなかったかと記憶しています。ロッキーの雄大な景観を2日間に渡って堪能できたのは今でも忘れられません。「スキーナ号」も同様のコンセプトを持った列車かもしれませんね。是非もう一度同じ感動の体験をしたいですね。

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