04. クライマックスは突然に

絶景列車「スキーナ号」に思いを馳せて04. クライマックスは突然に

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さて、いよいよジャスパーまで およそ1時間とちょっとになった頃、静かな列車内が少しワクワクした雰囲気になってくる。乗務員のおじさんも見えたら教えてくれるという。ロッキー最高峰のマウントロブソンがもう間もなく見える。少し前から降り出した小雨と、雲が気にはなっていたが、いくつもの山を越えていく。

マウントロブソンとの出会いを待ちながら車内で時間を過ごす。ここではシンプルだけど、気軽に楽しめる”アトラクション”もある。それは紙で作る模型。接着剤も根気もいらない。ただ好奇心さえあればいい。

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英語が分からなくても作れるし、子供でも簡単に作ることができる。ただ、意外と大人の方が真剣に作っていたりする。まるで職人のように、小さな列車がテーブルの上に並べる人もいた。
そして私も挑戦してみたけど、気付いたら同じようにテーブルの上に並べていた。

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もうひとつ時間の過ごし方、それはビールを飲むこと。乗車時間が短いスキーナ号では、ダイニングルームでの食事があるわけではないけれど、ホテルで用意してもらったランチボックスとともに飲むカナダビールはたまらない。カナダの人気ビール、モルソン・カナディアンは、すっきりとしていて飲みやすい。
唯一、気をつけなければいけないとすれば、気持ちが良くなり過ぎて熟睡してしまうことだろうか。

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山の天気は色々と変化して当たり前だ。天候の変化さえ必然と感じるような素晴らしい景色がそこにはある。
そして突然、両側にある緑の木よりもはるか高くのところにマウントロブソンが目の前に姿を現した。

クライマックスは突然に。あのドラマの主題歌が流れてきそうだ。
静かに、しかしとても迫力がある。ちょうど左側に見える頃、小さな川も現れた。

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そして何と親切なことに、この列車は絶景の前で止まってくれた。日本の新幹線が富士山の前で止まることはないけど、やっぱりカナダは懐が大きい。

緑の山々の間から顔を出すようにして見える、雪で真っ白なマウントロブソン。山の上部は雲がかかっているが、見えている部分はほんの一部だという。言葉を失い、その姿をただ目に焼き付ける。不思議な事に、マウントロブソンだけが雪と雲をかぶっていた。よほど標高差があるのだろう。その様子はとても尊厳ある雰囲気を醸し出していた。

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ジャスパーまでの142キロは人気のカナディアン号と同じ景色を楽しめるというお得感もある。

きっと晴れた日のマウントロブソン、山の全容はさらに素晴らしいに違いない。次回への期待も込め、またジャスパーへと進み始めた。

同じ地球でもところ変われば色々な景色や体験がある。特にこの夏のスケジュールに変わる前のスキーナルートには特別な世界を体験することができる。

robson

たった1日。されど1日。この先の人生の指針となるような特別な1日の体験。そこにある自然をただ感じる事、旅行者、現地の人との何でもない時間や交流はかけがえのない宝物だ。

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ゆったりとした時間の中で、夢を描いたり、未来を想像したり、自分を褒めたり、誰かに感謝したり。旅を通して、自分の中にある小さな物語と出会えること。この体験こそが本当の列車旅の醍醐味かもしれない。

どんなに忙しい毎日に戻ったとしても、私の心に焼きついた様々な感動体験は一生消えることはないだろう。そしていつかまた来たいと、あの時心に刻んだ景色を思いながら強く願う。

コメント

  • 高御位登女

    熱い室内で、検索していたら偶然カナダシアタースキーナルートをみつけました。1から見ていくうちに、車内にいるような気分になり、「くまがいるよ。」という乗務員のおじさんの声で、慌ててみると三匹のかわいい子熊がいました。初めは女の子目線で、若いって良いな。とみていましたが、だんだん中高年の私も乗ってみたいなと思い、いわゆるナイアガラのような有名な観光地へ行った後は、スキーナルートのような「つう」旅をしてみたくなりました。写真も紀行文もすばらしく、一冊の旅の本として発行して欲しい。

  • 春待 すみれ

    1.2.3.4. とすべてじっくり拝見 実際体験したような晴々した気分!ゆったりとシートにもたれておむすびでもほうばりながら
    流れる雲や湖山々の雄大なパノラマ 深呼吸すればマイナスイオンが夥しく肺に流れ込んできそう
    高山植物の可憐な花の匂いまでただよってきそう いつか絶対行きたいなあ
    これからのレポートも楽しみにしてますよ

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