02. 国立自然博物館①

カナダ国立博物館巡り02. 国立自然博物館①

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カナダの国立博物館巡り、最初に取り上げるのはオタワ市にある国立自然博物館にしたい。何しろカナダの国立博物館の中で最も古い。カナダ建国50年が近づく1912年にオープンしたカナダ初の国立博物館で、当時は「National History Museum」と呼ばれていたそうだ。当初は地質調査の成果物(鉱物など)からスタート。次第に恐竜の化石、植物から先住民の文化、カナダの歴史まで加えていった。後に国立美術館に移行する芸術品や国立歴史博物館に移行するトーテムポールなどの人類学的展示品も、最初はこの自然博物館に展示されていたというから、カナダの国立博物館の源流になった所とも言える。

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カナダの国立博物館は、それぞれ設立の趣旨を建築家が解釈し表現したユニークな建物が多い。それが見所の一つにもなっているが、ここはどうだろうか。
外観は、創立100年の歴史の重みを感じさせるどっしりした石造りの建物である。政府の主任建築家(David Ewart)がヨーロッパを回ってインスピレーションを受けたという、お城のようなゴチック様式の建築だ。やはり、早く歴史ある西欧文明に追いつきたいという若い国カナダの願望が表れているのだろうか。建物の壁面には、熊、鹿、ビーバー、ムースなどのカナダの動物が彫刻されている。

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ところが、建てられて3年で問題が起きた。粘土質の土地に建てられたために、石の重みで建物の塔の部分が傾き始めたのである。そこでその塔を取り壊したが、今世紀に入ってからの大改修に際して、かつて塔のあった部分にガラス張りの塔に作った。外壁は建築当時のものを残して内装を一新、地震にも耐えられるように改造した。ガラスの塔は夜にはイルミネーションの明かりが灯り、中の巨大なオブジェが人々を楽しませるようになった。私が訪ねたときは、そこには巨大なクラゲが空中に浮いており、外観も含めて博物館は石造りの重厚さとモダンな美意識がマッチした魅力的な建物になっていた。

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◆恐竜の化石を見る
自然博物館にはカナダ国内はもとより、世界から見学者が訪れる。幼稚園から高校3年生まで、様々なワークショップもあり、夏には、夜に博物館を見学するナイト・ミュージアムの催しも行われる。多分、その時の最大の目玉になるのがカナダ各地から集められた恐竜の化石ではないだろうか。

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広報担当のダニエル・スミス氏が早速、その巨大な化石が並ぶ部屋に案内してくれた。

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ここには、8500万年前から3500万年前にかけての恐竜の化石が展示されている。8000万年前、現在のカナダの陸地部分には海もあったので、海を泳いでいた恐竜の化石も発掘されている。自慢なのは、その80%が本物であること。中には、恐竜の糞の化石もある。糞といっても、黒光りした堅い石なのが面白い。

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自然博物館には、地質、水、化石、恐竜、ほ乳類、鳥類、昆虫といった様々な展示室が並んでいる。案内のスミス氏によれば、生物多様性の国である「カナダの自然の物語」を感じ取ってもらえるように展示がされていると言う。

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また、地球環境の変化、あるいは人間が環境にどのような影響を与えているかも学んでもらえるように工夫していると言う。次回に紹介したいが、450種に上る豊かなカナダの鳥類、そうした動植物を支えるカナダの大自然のパノラマ、不思議な鉱物などなど。そうした展示物を見ていく中で、広大な国土を有するカナダの豊かな自然と私たち人間との関係を身近に実感してもらいたいというのが、この博物館のねらいという。(つづく)

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