03. ゲームの進み方を知る~氷に描かれた記号

体験的アイスホッケー観戦入門03. ゲームの進み方を知る~氷に描かれた記号

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アイスホッケーは、スティックを使ってパックをゴールに入れ、得点が多い方が勝つという、単純なゲームだ。特に専門的な知識がなくても十分に楽しめるが、理解を深めることでアイスホッケーをより楽しむことができる。

ここでは試合が行われるリンクに書かれた3本のラインの意味を読み解きながら、試合がどのように進むのかを考えてみよう。

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1)センターライン(赤)

試合は中央に引かれた赤いセンターライン上に描かれた円の中心(センターアイス・フェイスオフスポット)で行われる「フェイスオフ」で始まる。ピリオドが始まる時、またどちらか一方のチームがゴールを決めた後もここで行う。フェイスオフとは、向き合う敵同士の選手が、審判によって投げ入れられるパックと呼ばれる黒いラバーの玉のようなものを自陣にかきいれることを言う。試合はパックを追いかけるように進むので、最初に行われるフェイスオフで確実に自陣にパックを送り入れることは、重要なスタートとなる。

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フェイスオフはここだけでなく、センターライン周辺のニュートラルゾーンに2つ、エンドゾーンと呼ばれるブルーラインとゴールラインの間に2つあるフェイスオフスポットという場所で行う。特にゴールの斜め前にあるエンドゾーン・フェイスオフスポットは得点のチャンスが高く、ここでどちらがパックを奪うのかは勝敗を決める重要な決め手の一つになる。

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2)ブルーライン(青)

ゲーム開始後にパックを奪い相手ゴールに向かって最初に通過するのが青のブルーライン。ここからゴールがある場所に引かれている赤いゴールラインまでを攻撃ゾーンと呼ぶ。選手たちはここでパックを右に左に振り、陣形を変えながら相手防御陣の隙を伺い、さらにはゴーリーの裏をついてパックをゴールに放り込み得点を狙う。

試合中に選手たちが青いラインを越えたら、いよいよ攻撃が始まる。反対側のゴールには自陣のゴーリー一人だけが残され、全ての選手は攻撃ゾーンに集合し、守備陣は何とかしてパックをこのゾーンから出して反転攻勢を狙う。ブルーラインからゴールラインまでは約17メートル。この空間で行われる丁々発止のやり取りは、アイスホッケー観戦の一つの醍醐味といえるだろう。

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攻撃ゾーンに入るまで攻撃が行われないかというと、そうではない。時にはブルーラインの外から一瞬の隙をついてゴールにパックを放り込むのが得意な選手もいる。これから陣形を整えようとする守備陣の一瞬の隙をついて放たれる高速パックが、ゴールネットをゆらすことは少なくない。この時スティックは弓のようにしなり、100キロを優に超す全体重は6オンス(約170g)の小さなラバー製のパックにかけられ、目にも止まらぬ速さで飛んで行く。

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3)ゴールライン(赤)

リンクの端には赤いゴールラインが引かれ、その中央には半円形のゴールクリーズが描かれている。その中に赤い鋼鉄の枠にネットがつけられたゴールがある。試合は黒いパックがゴールネットを揺らした時に得点となり、それを防ぐ目的だけに存在するゴーリー(正式にはゴールテンダー)という選手がゴールクリーズの中でプレーする。ゴールクリーズは直径が8フィート(約2メートル半)の小さな半円で、防具にフェイスマスクをしたゴーリーは試合中ほぼここを出ることなく、敵の攻撃から自陣を守ることに徹する。

攻撃陣がセンターラインから放ったパックがそのままゴールラインを越えてしまうと、アイシングと言って試合は中断し、仕切り直しのフェイスオフが行われるという独特のルールがある。パックが流れてゴールラインを越えて試合が中断するのは何だろう?と思う方も多いはず。そんな時、これはアイシングというペナルティーなんだということを思い出すと、一つ疑問が解けるはず。

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ゴールラインにまつわるストーリーを、もう一つ。ゴーリーの背後でパックの取り合いになることが、試合中には頻繁に起こる。攻撃陣はゴーリーの死角となる背後からパックを出し、正面で待ち構える選手にパスをしゴールを狙うが、防御陣はそのパックを出させないように体を壁に寄せ、時には壁際にスティックやスケート靴でパックを抑えてしまうことも。攻撃陣はなんとかゴーリーの目の届かない場所からパックを放り込もうとするため、ゴールライン背後の壁は最も危険な場所(チャンスが訪れる場所)の一つとなる。同時に両軍のつばぜり合いが激しくなるポイントにもなる。

観戦中に選手たちを目で追いながら、3本の線(合計5本)の意味を思い出せば、より試合展開を理解することができるので、ホッケーの楽しさが倍増するはずだ。

<撮影協力:Toronto Marlies>

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