07. 納品前の作業とは

「1000万平方キロ」の奇跡

07. 納品前の作業とは

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凍った湖から氷上へと釣り上げられた魚には、レストランへの納品前に、ある「ひと手間」をかける必要がある。

凍って雪が積もった湖上で、魚の頭を切り落とし、内臓を取り除いておくのだ。

この作業をしておかないと魚が傷んでしまうし、さっさとやらないとあっという間に魚が凍ってしまい、魚はナイフでは切れなくなってしまう。

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ショーンさんの素早い作業によって下処理された魚はこんな状態になる。

この状態でボンバルディアB12に積み込めば暖房が効いているので、凍らないままちょうどいい感じの「冷蔵」状態でレストランに納品することができるのだ。

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ショーンさんが寒い中でこの作業をしている間、申し訳ないけれど、僕はボンバルディアB12の車内で、ホワイトフィッシュの刺身をいただいていた。

その名の通りのきれいな白身。コリコリとした新鮮そのものの食感で、なかなかの美味だ。ショーンさんはちゃんと醤油も用意してくれていた。こうなると日本人としては熱燗が欲しいところだけれど、それはまあ「わがまま」というものだ。

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切り落とされた魚たちの頭は、雪に覆われた湖面にそのままポンと置かれていく。

春が来て雪が溶けたら、湖の栄養分になる、ということだろうか。

刺身でおいしくいただいたばかりなので大変恐縮に感じてしまう。写真を撮りながら彼らの頭を見つめていたら、何だか手を合わせてくなってきた。食べちゃって本当に申し訳ない。

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さて、極寒の湖面でのアイスフィッシングには「拠点」が必要だ。だから氷上の移動手段・ボンバルディアB12は、こうした「家」を引いてくる際にも大活躍する。

中にはキッチンや二段ベッドなどが揃っていて、漁の期間中、ショーンさんと相棒が2人、ここで暮らすことができるようになっている。

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トイレは「別棟」というか、「別小屋」になっていて、写真も撮ったけれど、まあ、掲載はやめておこう。

さて、氷点下20度とか30度になる凍った湖面の上に設置されたトイレで用を足すというのは、どういうことになるんだろうか、などと思う人もいるだろうと思う。

そういった些細なことも含めて、イエローナイフでのアイスフィッシングではなかなか得がたい体験をすることができる。

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実はショーンさんは漁師であるとともに、観光客らを相手に「ボンバルディア・ツアー」を主催してくれてもいる。

このツアーは、実際にアイスフィッシングを体験するとともに、僕のようにとれた魚を食べさせてもらうこともできる。

そして重要なのは、アイスフィッシングの舞台であるグレートスレーブ湖の魅力や生態系についても説明してもらえる、カルチャーツアーだという点だ。

極寒での漁を体験し、愛嬌たっぷりのボンバルディアB12にも乗ってみたいという人は、オーロラ以外だけではない、昼間のイエローナイフの楽しみ方としてアイスフィッシングを検討してもいいと思う。

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さて、イエローナイフの発祥の地とも言えるオールドタウンというエリアに、「Bullock's Bistro(ブルックス・ビストロ)」というレストランがある。

ログハウスのようなつくりのこの店は、1900年代のゴールドラッシュのころ、一攫千金を夢見た男たちが「たまり場」にしていたカフェだったんだそうだ。

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オーロラ鑑賞の日本人観光客も多く、結構な人気店なので、訪れるなら早い時間帯の方がいいかもしれない。

僕は前にも一度、ここに来たことがあるけれど、その時は満席で残念ながら入ることができなかった。

店内はこんな感じ。メニューとしては、ショーンさんがとっていたような湖の魚たちはもちろん、カリブーやバッファローのステーキといった地元のユニークな食材も楽しむことができる。

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アイスフィッシングを終えてやってきた僕は当然、今度は刺身ではなく、湖の魚たちのグリルをいただいた。

ホロホロとした白身がスパイシーな味付けと実にあう。ビールも最高に美味しい。

でも、かつてのアイスフィッシングは犬ぞりでの移動だったはずだし、今のような防寒着はもちろん、ボンバルディアB12だってなかったはずだ。

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だから終わった後に、ビールが美味しい、なんて状態ではなかったはずだ。

年代物の移動手段・ボンバルディアB12が現役で活躍してくれていることに感謝しながら、「Bullock's Bistro」の料理を楽しもうと思う。

ただしこの店の料理、どれもこれも結構なボリュームがあるから、注文の際には少々、覚悟しておいた方がいい。

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