02. 真っ白で真っ平ら

オーロラ大爆発に出会う旅~光が僕を包み込む極上の時間~02. 真っ白で真っ平ら

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カメラマンと2人で日本を発ったのは3月中旬、金曜日の夕方だった。

成田空港からの直行便でまずはアルバータ州・カルガリーに到着。カナダ入国を祝い、ビールで軽く乾杯した後、小さな飛行機に乗り換えてイエローナイフへと向かった。

2時間ほどのフライトで到着したイエローナイフの空港は、驚くほど小さかった。まるで日本の田舎の鉄道駅のようだ。

ロビーにはシロクマが飾られているけれど、このあたりにシロクマはいないらしい。堂々とこんなことをやってしまう「ゆるさ」も、日本の田舎で見る光景に近い。

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明らかに違っているのは、空気の感触。「冷たさ」と言うより、「痛さ」を感じる。すぐに上着を着ないと体温がどんどん吸い取られていく感じ。生まれてこのかた、明らかに経験したことのないレベルの気温だ。

かつては金、今はダイヤモンドの採掘で街全体が潤っているというイエローナイフそのものが、実はオーロラ鑑賞の拠点。

でも、ここからさらにセスナ機に乗って東へ100キロほど飛ぶ。目指すは、ブラッチフォードレイク・ロッジ。ただし、その前にイエローナイフでオーロラ観賞用の防寒着をレンタルしなければならない。

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高級品の「カナダ・ダウン」の上下の防寒着に、がっしりとした靴。それと革の手袋。全部装着すると宇宙服みたいで、あまり身体の自由は効かない。

ここで僕は、トイレは行ける時に行っておこうと心に決めた。いざという時、間違いなく想定以上に時間がかかるはずだから。

乗り込んだセスナ機は、「ブッシュ・プレイン」と呼ばれる、この土地の大切な移動手段。車輪にはスキーのようなものがついていて、氷の上でも離着陸できる。

夏なら水の上だから、装着する装置を交換するのだろう。いずれにしても、季節を問わず「湖面」が滑走路だ。

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ブッシュ・プレインから見える景色は一言でいうと「真っ白で真っ平ら」。眼下の湖がすべて凍り、その中にポツン、ポツンと樹々が頼りなく固まっている。 機内なのに吐く息が白い。そもそも暖房なんて期待する方が間違いなんだ。

日本から飛行機を2回乗り継ぎ、再び迎えた金曜日の夕方。僕らはようやく、ブラッチフォードレイク・ロッジの前の「湖面」に降り立った。

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小高い丘の上のロッジに入って一息ついた頃には、まだ明るさが残るものの、外は駆け足で夜へと向かっていた。

普通、オーロラを見るには午後11時ごろから午前2時、3時まで粘るのは当たり前だと聞いていた。それでも雲が出ていれば、いくら頑張ったところで見ることはできない。

ロッジでの夕食を終え、「さて、何時から『戦闘開始』だろう」と思ったのは午後8時ぐらいだったと思う。

それが、きょうはオーロラの出現が早そうだという話になり、外に出てみるとほどなくオーロラのショーがスタートした。僕らとオーロラ大爆発との出会いだった。

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