STORY

忘れられないカナダ・PEI編

チョコとアイスの誘惑

プリンスエドワード島(PEI)には世界一おいしいアイスクリームがある。店の名前は「COWS(カウズ)」。この、とぼけた顔の牛がトレードマークだ。

ある旅行会社がアンケートを実施したところ、イタリアとかパリとかニュージーランドとかハワイとか、とにかく世界中のアイスクリーム店を制してCOWSが一番に選ばれたんだそうだ。

別にCOWSが世界一を目指して「我こそは」と手を挙げたとか、そんな話ではまったくない。

ある日突然、世界一になりましたよ、と一方的に通告されたというんだから、これはもう紛れもない世界一なんだろうと思う。

それにしても、PEIの新鮮なミルクから作られたこのアイスクリーム、味を説明するとすれば、混じりけのない本物の濃厚さ、といった表現だろうか。

そして、世界一のアイスクリームをさらに引き立ててくれているのがワッフルコーンだ。

なにしろこうして1枚1枚、手作業で焼き上げるのだから、おいしくないはずがない。

店内には生地の焼ける甘い香りが漂っていて、ついワッフルコーンだけを食べるのもアリかもしれない、などと思ってしまう。

焼きあがったばかりのワッフルはもちろん平らな状態で、これを円錐形の道具でくるりと巻くと、見慣れたコーンの形になる。

積み重ねられていくまだ温かいワッフルコーンからは、まだまだ甘い香りが立ちのぼっている。

その香りを鼻の中でたっぷりと楽しみながら、いい色に焼きあがったおいしそうなコーンを見つめていると、幸せすぎていくら時間があっても足りないくらいだ。

世界一のCOWSの中でも一番人気なのが、「WOWIE COWIE」というアイスクリームなんだそうだ。

バニラアイスの中にイングリッシュタフィーとかチョコフレークとかが入っていて、楽しい味と食感を生み出している。ぜひお試しあれ。

さて、COWSはアイスクリームだけではなく、系列の店でチョコレートも作っていて、PEIに住むアイランダー、そして島を訪れる旅行者たちにさらなる甘い誘惑を仕掛けてくる。

そのチョコレートの中でも僕が忘れられないのが、「COW Chips(カウ・チップス)」だ。

アイランダーが世界一だと自負しているポテトでつくった少し厚めのポテトチップスをチョコレートでコーティングしてあるお菓子だ。

僕は幸運にも、その製造工程を間近で見ることができた。奥の方から次々と現れるポテトチップスに、サラリとした感じの溶けたチョコレートが上からたっぷりと流しかけられていく。

ベルトの上を運ばれて行きながら、表面に光沢のあったチョコレートはどんどん冷えて固まり、やがてCOW Chipsは落ち着いた表情を見せ始める。

なんだかもう、機械からCOW Chipsが無尽蔵に生み出されてくるようで、見ているだけで楽しくなってくる。

口にするとほんのりとちょうどいい、まさに「塩梅(あんばい)」のいい塩味がして、甘いチョコレートといいバランスだ。

それに、少し厚めで食べごたえのあるポテトチップスも、コーティングされたチョコレートに負けない存在感を主張していて、これまた絶妙なバランスだ。

さて、COWSではアイスクリームやチョコレート以外に、この写真のようなパロディTシャツが人気を集めている。

ハローキティとかゴジラとか、映画やドラマ、googleとか、とにかくあらゆるものと「牛」をひっかけたパロディで、店員さんはみんなパロディTシャツを身につけている。

というのも、もともとは店員用に作られたTシャツだったはずが、人気に火がついて今や本業のアイスクリームに匹敵する売り上げになっているそうだ。

COWSの店に入ったら、店員さんたちがそれぞれどんなパロディTシャツを来ているかをチェックするのもまた楽しい。

ただしカナダのことなので、何のパロディなのか分からないこともままある。でもまあ、難しく考えずに、何かのパロディなんだろうなあ、とボーっと眺めていればいい。

大事なのは、このアイスクリームが間違いなく世界一の味だ、ということなんだから。

文・写真:平間俊行

コメント

  • ひなママ

    こちらが元祖チョココーティングのポテトチップスかしら?いただいてみたいです。

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