STORY

忘れられないカナダ・PEI編

島のポテトの誘惑

プリンスエドワードアイランド州

プリンスエドワード島(PEI)で暮らす人たち、つまりアイランダーの「ポテト愛」も、僕にとっては忘れられない旅の思い出だ。

このページのトップ写真は、僕がPEIのおみやげ屋で見つけた絵はがきだけど、ポテトといっしょに砂浜に寝そべる水着の女性って、いったいどんな発想で商品化されたのか、僕には皆目検討がつかない。

おまけに「I only have “eyes” for you…」って、「目」とポテトの「芽」をかけているんだろうか。「ポテト愛」が強すぎて脱線してしまった失敗例じゃないかと僕は思っている。

まあ、この絵はがきはともかく、PEIでおみやげを探すと、結構な確率でポテト関連商品に出くわすことになる。

最初の写真は、PEIの人なら誰もが知っているポテトが入っている袋と、ゴロゴロしたポテトのマグネットだ。

次は本物のポテトにしか見えない、「ベタ」なポテトのマグネット。このリアルさはPEI独特の赤い土から生み出される。つまり、表面がPEIの赤い土を固めてつくられているマグネットなのだ。

島のスーパーマーケットに入ればこんなふうに、ポテトがぎっしり詰まった袋が無造作に積まれて売られている。日本のスーパーでのお米の扱いに近いのかもしれない。

そして、僕が愛してやまないファーマーズマーケットでは「種イモ」だって売られていた。とにかく島中がポテト、ポテト、ポテトだ。

なにしろ小さな島のくせに、カナダ全体のポテト生産量の約3割を占めている。

また、作っている種類は30ぐらいだと言うけれど、ポテトには30もの種類があって、しかもそれがこの島内で作られているのかと思うと正直、かなり驚かされる。

まあ、これなら島中がポテトだらけになるのも分からないではない。

だからこの島には「ポテト・ミュージアム」なるものがあって、PEIにおけるポテト栽培の歴史やその苦労などについて学ぶことができる。

ミュージアムの前にはこんな巨大なポテトのオブジェがあって、入り口には「世界的に知られているPEIポテト」みたいなことが堂々と書かれている。かなり自信あり、という感じだ。

ミュージアムの中では、ヨーロッパから移民としてこの島にやってきた人たちが、ポテトを栽培して生き抜いてきた知恵と努力の数々が紹介されている。

例えば、ムール貝を含んだ浜辺の砂をすくい、肥料として畑に撒いていた、なんて話も紹介されている。

そしてミュージアムにあったこのジオラマ。ポテト畑の畝の方向に注目してほしい。

畝の切り方が左のようだと畑に巻いた肥料などが川や海に流れ出てしまう。

だから右のように、川との間には緑のベルト地帯を設け、畝も川の方には向かないように切られている。環境との共存を目指したポテトづくりなのだ。

ミュージアムのあとに別の取材で立ち寄った生地屋さんではこんな布を発見した。

ただただポテトが描かれている布だ。こんな商品、少なくとも日本ではまず売れないと思うけれど、PEIでは違和感なく売られている。

さて、もう書けるスペースもなくなってきたので、このへんで正直に告白しておかないといけない。

あのポテトがゴロゴロのマグネットと、ベタでリアルな赤い土のマグネット。僕は両方とも自分用のお土産として買って帰った。今、僕の職場のデスクでいろんなものをとめておくのに使われている。

また、ポテトが並んだあの日本では売れそうもない布で作ったコースターを見つけたので、それも買ってきた。毎日、僕のデスクのマグカップの下で大活躍している。

そして僕は、ダイエットのためには糖質を制限しなければならないと強く自覚しつつも、時々仕事中にPEIのポテトが食べたいなあ、などと考えたりしている。

じゃあ、あの絵はがきは買ったのかって? いや、これだけは誓って買っていない。いやいや、営業妨害するつもりはないので、気に入った人は是非買ってあげてほしい。ただ、この絵はがきをデスクの前にマグネットでとめておく勇気が僕にはないだけかもしれない。

文・写真:平間俊行

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コメント

  • あすかみかん

    来年、プリンスエドワード島に行く予定なので、ぜひ!麻の?ポテト袋を買ってきたいと思ってます。売っているかしら?一袋のジャガイモを買わないといけないかな?けど、きっと、日本に持って帰ってきては、いけないですよね?

  • お~しゃん

    赤毛のアンが好きで、20数年前にPEIに行った時の記憶が甦りました。
    またおとずれたい場所です。

  • 白髪のやっちゃん

    カナダにはスキーと魚釣りとオーロラと赤毛のアンの島に行くとか望みありますが、記事を読んで純粋に島に行き、おいしい自然の恵みを食べたいと思いました、アンの最新の桜の場面読んだ中学生の時から憧れの島にますます行きたくなりました

  • ないあ

    こんな素晴らしい島があるなんて知りませんでした。全てが大好物のものばかりです。写真からシーフードの香りがしてきそうで、もうたまりません。いつかは行きたいリストに加えます。季節はいつ頃がお勧めでしょうか?

  • スパイク

    ロブスター料理調べてて偶然記事に出会いましたが一気に全部読んでしまいました。
    島の魅力がとてもよく伝わってきました。カナダにいつか行ってみたいと思いました。

  • フイフイ

    1年以上、生活してみたい、魅力を十分に感じました。ぜひ行きます。

    • 平間俊行

      フイフイさん、筆者の平間です。コメントありがとうございます。
      ぜひぜひ行ってみてください。赤毛のアン、だけの島ではないことは請け合いますよ。

  • ぷる。

    朝ごはんが終わったばかりなのに、またお腹が鳴り始めました。これはもう行くしかないですね。PEIはアンのイメージが高いけれど、PEIの”食”の魅力はアンに優っているかも。食べ歩きだけを目的にでも、訪れる価値がありますね。

    • 平間俊行

      ぷる。さん、コメントありがとうございます。筆者の平間です。赤毛のアンもシーフードも、すべてPEIの魅力です。赤毛のアンだけの島と思ったらもったいない島なんです。

  • よしだ

    行った事がないのに、なぜかそこに居て楽しんでいる景色が浮かびました。

    • 平間俊行

      この記事を書いた平間です。文章を書く人間にとって、行ったことがないのに…と言ってもらえるのが最高です。ありがとうございます。

  • 望月美幸

    読んでいたら、自分もその場にいるような臨場感
    もう、絶対行きたくなりますね!カナダには20年前に行きました。
    この記事の一つ一つの店を回りたい!そんな衝動にかられました。
    ありがとう!カナダ!ありがとう、雄大な自然そして、その恩恵の産物!

    • 平間俊行

      望月さま。筆者の平間です。20年ぶりに是非、カナダに行ってみてください。ちょっと太ってしまう懸念はありますが(笑)、カナダは幸せになれる国です。

  • サッちん

    イイね〜。生きてる内にいっぺん行きたい一つですね。 釣りもいいでしょうね。魚介、肉、芋、アイスクリン、ねーちゃmん、人情総てグウ〜〜泣けてくるくらい、、、嗚呼生きてる内にやねんけどなぁ〜とほほ、、、

    • 平間俊行

      筆者の平間です。コメントありがとうございます。時間がゆっくりと流れる島です。1年もいられたら最高ですね。

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