美食と美酒でおもてなし!世界遺産ロッキーを巡る鉄道の旅

美食と美酒でおもてなし!世界遺産ロッキーを巡る鉄道の旅

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絶え間ない絶景へロッキー鉄道の旅

フィールドという街からレイク・ルイーズ駅へと走るロッキーマウンテニア号。写真手前はキッキング・ホース川の一部であるワプタ・レイクという湖。ヨーホー国立公園に属する一帯。

清潔で近代的なカナダ第三の都市バンクーバーを発った列車は、カナディアン・ロッキーへ。写真集をめくるかのように次々と美しい景色が現れ、美食と美酒が絶え間なく供される。北米はもちろん世界中から多くの観光客が訪れる、リュクスな鉄道の旅をご紹介しよう。

BRITISH COLUMBIA (ブリティッシュ・コロンビア州)

アクセス 成田もしくは羽田空港からバンクーバー国際空港まで約9時間
時差 −17時間(サマータイム期間は−16時間)
電話(国番号) +1
通貨 カナダドル(1カナダドル=約87円 ※2017年2月現在)

手が届きそうな大自然と心温まる親密なおもてなし

◆ Rocky Mountaineer
(ロッキーマウンテニア号)

出発前日、ロッキーマウンテニア号は駅で最終点検を受けていた。

午前8時前にバンクーバーを出発したロッキーマウンテニア号は、30分もすると美しい緑に囲まれた。列車のスピードはそれほど速くない。1日目の目的地であるカムループスの街まで約460キロを10時間以上かけて運行する、贅沢に時間を使う鉄道旅行なのだ。

ロッキーマウンテニア号には4つの路線があり、カムループスで1泊してレイク・ルイーズとバンフに至るルートは、ファースト・パッセージ・トゥ・ザ・ウエストと呼ばれる。カナダ建国から20年後の1887年、大陸横断鉄道がロッキー山脈を越え、初めて公式にバンクーバーに到着した時とほぼ同じルートを走ることに由来する名称だ。

1階の食堂は、絶景を見ながら料理を楽しむ非日常空間。

われわれが乗車したゴールドリーフクラスの車両は2階建てで、食事は1階の専用ダイニングに用意される。深い森、美しい渓谷、高い鉄橋、時折現れる熊や鹿。ゆっくり流れる車窓の景色を眺めながら、評判通りにうまいエッグベネディクトに舌鼓を打つ。手が届きそうなほど大自然を身近に感じられる鉄道には、船旅とは違う魅力がある。

カムループスのホテルで1泊、2日目はレイク・ルイーズ、そしてバンフまで。この道程はさらに山が険しくなり、森も深くなる。130年も昔に、この山中に鉄道を通した先人を思う。贅沢でありつつ、歴史の重みも感じる旅だ。

レイク・ルイーズ駅に近い街、フィールドで見かけた野生のエルク。川の向こうを鉄道が走る。

2階席は天井近くまでガラス窓になっているから、明るく開放的。抜群のタイミングでワインを勧めてくれる乗務員のサービスは親密で、くつろげる。ずっと乗っていたいのに、降車駅のレイク・ルイーズが近づいているというアナウンスが聞こえてきた。

輝く山岳リゾートをゆっくりクルージング

◆ 澄んだ空気のなか、夜明け前の駅へ

バンクーバーの中心から車で10分ほどのバンクーバー駅。ここでチェックイン。

受付は午前6時30分から、乗車は7時30分に始まる。駅舎内ではピアノが演奏され、乗客にはコーヒーやジュースが振る舞われる。

◆ バグパイプの音とともにいよいよ出発!

左:全員が乗車したところで午前8時前に出発。
右:一度の運行で、最大800名が乗車できる。2階建てのゴールドリーフには1車両あたり70名が乗る。

バグパイプの演奏が乗車開始のセレモニー。哀愁漂う音が旅情をかき立てる。大陸横断鉄道の建設を主導したサンドフォード・フレミング卿が、スコットランドからの移民だったことに由来する儀式。

◆ 手を振って振られて。旅の心和む瞬間

左:この路線を運行するのは週2~3回程度。列車を見るのは住民にも新鮮な体験。
右:デッキからは乗客ならではのこんな画も撮れる。

フォトジェニックな場所にさしかかると、撮影に適した速度まで落としてくれる。だから、手を振る人々の表情まではっきり分かる。地図で場所を確認しながら、連結部分のデッキで撮影のスタンバイをしたい。

◆ 幾度も供される美食は、カナダの美酒と

アルバータ州産の牛や豚、地鶏、サーモンなど、ロッキーの美味な食材が。

朝食とランチのほかにスウィーツや軽食が頻繁に供され、アルコールも自由にオーダーできるので、常にお腹は満たされている。メニューも豊富で、朝食は7つのメニューから、地元産ワインも数種から選ぶことができる。

左:エッグベネディクトは、マフィンにスモークビーフをのせるモントリオール流。
右:スティールヘッド・サーモンはランチの定番。

Rocky Mountaineer(ロッキーマウンテニア号)

所在地 1755 Cottrell Street, Vancouver, British Columbia(出発駅=バンクーバー駅)
電話番号 877-460-3200

URL http://www.rockymountaineer.com/

※運行路線は4コース。今回は最も人気が高いコース「ファースト・パッセージ・トゥ・ザ・ウエスト」を取材。バンクーバーを出発、カムループスのホテルで1泊し、2日目にレイク・ルイーズ、バンフに到着する。また乗車クラスは2タイプ。食事を専用ダイニングでとる「ゴールドリーフ」と、座席でとる「シルバーリーフ」がある。運行は4月中旬から10月初旬まで。価格は各旅行代理店に確認を。

湖畔に佇む瀟洒なロッジで眼福と口福を満喫する

◆ Emerald Lake Lodge
(エメラルド・レイク・ロッジ)

2階の角部屋、ポイント・キャビン。スイートルームにあたる。

夕刻、レイク・ルイーズ駅で降車し、車で40分ほどのエメラルド・レイクへ向かう。このあたりはヨーホー国立公園の一部。ヨーホーとは先住民の言葉で「驚愕、畏怖する」の意味だ。湖畔に立つエメラルド・レイク・ロッジの部屋から見る湖面は吸い込まれそうなほど澄んだ青みがかったグリーン。驚いた先住民の気持ちがよく分かる。

湖のほかにも、周辺には滝や氷河など絶景ポイントがいくつもある。ウォーキング程度の装備で十分なので、散策することをおすすめしたい。カヌーを借りて湖を一周するのも楽しい。

食事だけを目的に訪れる人も多い、眺望に優れるダイニングルーム。

軽いハイクやカヌーで身体を動かした後は、ロッジで美食が待っている。ダイニングの窓から見える美しい湖面が最高のアペタイザー。供されるのはカナディアン・ロッキー・キュイジーヌで、バッファローやエルクなど野趣溢れる素材が繊細に調理される。

左:エメラルド・レイクでは、スタンドアップパドルを楽しむ人も。
右:エルクや鴨の燻製、ハムが並ぶシャルキュトリプレートは29カナダドル。

コンテストで入賞するほど豊富な種類を取り揃えるワインリストは一見の価値あり。生産量が少ないので日本ではまだなじみがないけれど、ブリティッシュ・コロンビア州には優れたワイナリーがいくつもあるのだ。

部屋に戻って、暖炉に火を入れる。窓から眺める夜の黒い湖面は静謐で神秘的。先住民が畏怖の念を抱いたのはこの眺めではないかと想像した。

到着の翌朝、乗客を乗せてバンクーバーに折り返す列車に手を振る。

Emerald Lake Lodge (エメラルド・レイク・ロッジ)

所在地 1 Emerald Lake Drive, Field, British Columbia
電話番号 403-410-7417
客室数 85室
料金 ダブル 200カナダドル~(6~9月は350カナダドル~)

URL https://crmr.com/emerald/

大自然へもっと溶け込む!

絶景ポイントさらに満載。ヨーホー国立公園を歩こう。

◆ 歩きやすい靴があれば、この旅はもっと楽しい

左:ロッジから車で約10分のタカカウ滝。落差は400m弱とカナダ最大級。
右:車で約5分、ナチュラル・ブリッジという清涼感溢れる滝。

エメラルド・レイクにステイしたら、ぜひ歩きやすい靴に履き替えたい。整備された湖畔の歩道を歩くのもいいし、ここに紹介した滝を訪ねるのもいい。車で15分ほどのフィールドは、徒歩で一周できる可愛い街。また街の近くには、列車が険しい峠を越えるために線路を8の字のらせん状にした、スパイラル・トンネルも。急坂も悪路もないので、気軽に出かけても大丈夫。

◆ 川沿いにひっそりと立つ、隠れた美食ロッジ

左:お隣のアルバータ州産のラムラック 44カナダドル。見ためはスタイリッシュだがリッチなテイスト。
右:落馬して馬に蹴られた史実に由来する川の名前だけに、山々は峻険だ。

エメラルド・レイクから車で約10分、キッキング・ホース川沿いのロッジのレストランが評判だと聞いて訪ねた。周囲は山深いけれど、レストランは本格的。地産地消にこだわる素材はどれも滋味深く、39歳の若きシェフの料理はモダンなスタイル。サーブのタイミングやワインのセレクトは洗練されていて、ワイルドな大自然とのコントラストが今も記憶に残る。

Cathedral Mountain Lodge (カテドラル・マウンテン・ロッジ)

所在地 1 Yoho Valley Road, Field, Yoho National Park, British Columbia
電話番号 250-343-6442

URL http://www.cathedralmountainlodge.com/

始発バンクーバーでも楽しむ

近代的な都市部と美しい公園や港─。見どころ満載のカナダ第三の都市で、地元でも「美味しい!」と話題を集めている3店へご案内。

◆ 海鮮は和食が一番だという自信が……

前菜のハマチに驚愕。軽く火を入れ、ハラペーニョが添えられた味は、ワサビで食べる刺し身に勝るとも劣らない。味噌や出汁を使った繊細なシーフードを堪能できる。

Blue Water Cafe(ブルー・ウォーター・カフェ)

所在地 1095 Hamilton Street, Vancouver, British Columbia
電話番号 604-688-8078

URL http://www.bluewatercafe.net/

◆ いくらでも食べられそうな、危険な逸品

小麦の味がする、キメ細かい滑らかな生地が美味。どっしりしているけれど甘すぎないのでペロリ。スモークトメイプルウォルナット(3.75カナダドル/左)とアップルフリッター(3.50カナダドル/右)が人気。

cartems DONUTERIE(カーテムズ・ドーナッテリー)

所在地 2190 Main Street, Vancouver, British Columbia
電話番号 778-707-1114

URL http://www.cartems.com/

◆ 「外カリッ、内フワッ」の絶品ワッフル

午前8時の開店直後から行列が絶えない人気店。お目当てはベルギー・ワッフル。ワッフル(3.15カナダドル)に、オプションでチョコレート(1カナダドル)をトッピングする組み合わせが人気。

Café Medina(カフェ・メディナ)

所在地 780 Richards Street, Vancouver, British Columbia
電話番号 604-879-3114

URL http://www.medinacafe.com/

撮影=志水 隆 取材・文=サトータケシ
 地図=Cmap コーディネイト=和田 健、長谷川和人
 協力=カナダ観光局、ブリティッシュ・コロンビア州観光局

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